お笑いコンビ・からし蓮根、熊本県出身ならではの出囃子曲とは

2022.11.5 09:15

お笑いコンビ・からし蓮根(左から伊織、杉本青空)

(写真7枚)

お笑い芸人が舞台へ上がる際に流れる音楽「出囃子」。芸人にとっては自分たちの登場を知らしめる重要なテーマ曲、また舞台に立つエンジンであり、それぞれに思い入れがあるはず・・・。

そこで「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区:以下、マンゲキ)所属芸人から、曲に込められた想いや経緯などを深掘りする連載がスタート。マンゲキメンバーの兄貴的存在・スマイルの瀬戸をインタビュアーに迎え、6回目は熊本県出身コンビ・からし蓮根(杉本青空、伊織)に迫ります。

「高校で出会って『アメリカ来たんか?』って」(青空)

お笑いコンビ・スマイルの瀬戸。今回はマンゲキ楽屋の一角でインタビュー開始です

瀬戸:今回は連載6回目、からし蓮根編でございます。2人はコンビの経歴が特殊やもんね。熊本から一緒にでてきてっていう・・・出会いはどこやったの? 

青空:高校のときですね。僕は中学校まで田舎町で、高校から市内の学校に行って伊織と同じクラスになった、という感じです。

瀬戸:どうやった? そのときのお互いの第一印象は。

伊織:う〜〜〜〜〜〜〜ん・・・。

青空:お前一言目やぞ ! エルマガさんに音だけのせるなよ!(笑) 

瀬戸:その見た目でお前の方が悩むんや(笑)。伊織の方がインパクトあるから、青空の方が当時の印象は強いと思うんねんけど。

青空:そうですね・・・。異質でデカいなというのはありましたけど、正直それどころじゃなかったんです。当時家が遠すぎて初めて寮に入って、本当にホームシックで。ずっと歯食いしばってましたから。

瀬戸:そうなんや! 

伊織:僕は中学から高校までエレベーターであがって、周りとも仲が良かったんです。そしたら、担任の先生から「青空がホームシックで学校辞めそうやから、馴染めるようになんとかしてあげて」って言われて。

青空:同じ熊本なんですけど、文化が違いすぎて。市内は僕からしたら大都会で、学校に自動販売機とかあるし、なんか授業中にリプトン飲んでるし、みんなで回し飲みとかして「ウェ〜イ!」みたいな・・・ほんまアメリカ来たんか?って思ってましたよ。

瀬戸:ハハハ!(笑) そんな田舎育ちやったんや。イメージ逆やなぁ、青空の方が都会で育ったと思ってた。

伊織:逆です、青空が山です。で、先生に言われたこともあって、ちらほら青空とは話してたんですよ。

青空:僕も受け身一方やったんですけど、伊織が友だち全員に『イロモネア』(※)させられてるときがあって。僕も変わらないと地獄の3年間になると思って、そこに飛び込んでいったんです。そこからちょっとずつ仲良くなっていきました。

(※)規定ジャンルに従ったネタで観客を笑わせる、即興ネタ番組

熊本県出身の2人。杉本が放つ熊本弁の鋭いツッコミと、大柄で圧倒的な存在感を持つ伊織の奇想天外なボケが強み

瀬戸:伊織は伊織で青空を救ってあげたいと思っていたけど、伊織も救ってほしいくらいイジられてたんや(笑)。

伊織:そうですね・・・。僕もどうしようかな、っていう感じではありましたね(笑)。

青空:そのときに「実はお笑いが好きで、将来はやりたい」っていう話を伊織にはしていました。

瀬戸:関西に比べて、熊本出身やったらお笑いに触れる機会って少ないやん。何を見てそう思ったん?

青空:『爆笑ヒットパレード』とか『M−1』とか、1年に1回全国放送であるネタ番組しかなかったんですけど、当時はバラエティとかよりも漫才をしているのにめちゃくちゃ憧れがあって。とにかく相方みたいな人おらんかなって探してて、(伊織は)なんとなくピンときたというか。

瀬戸:そのとき伊織はやりたいことはなかったん?

伊織:そんときはラグビー部の監督に「お前のガタイやったら絶対良い大学入れる」って言われてて、やりたいこともなくて「まぁ大学は行くんやろなぁ」って考えるくらいでした。

瀬戸:ぼんやり考えてたら青空からお誘いがきて。そこから急に大阪に来たってこと?

青空:そうですね、高校卒業と同時にNSC(吉本総合芸能学院)に入りました。

伊織:インディーズでもやってましたし、そのとき「お笑い」が楽しかったんで、深いことは考えてなかったですね。

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