瀬尾まなほさん「先生は『トヨエツいい男』って言ったはず」

2022.11.5 19:00

左から、瀬尾まなほさん、寺島しのぶ、豊川悦司(11月4日・大阪市内)

(写真2枚)

作家・井上荒野の小説を映画化した『あちらにいる鬼』の舞台挨拶が11月4日、大阪市内でおこなわれ、出演する寺島しのぶと豊川悦司、寂聴さんの秘書として知られる瀬尾まなほさんが登壇した。

同映画は、2021年に亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんと、その不倫関係にあった作家・井上光晴さん、そして、井上さんの妻という男女3人の特別な関係をモデルに、井上夫妻の長女である作家・井上荒野が綴った物語だ。

生前の寂聴さんを支えてきた瀬尾は、寺島と豊川ととも舞台挨拶に登壇し、「この豪華な方々と一緒に私がいるのは場違いな気もしますが、本当に素晴らしい作品。これからみなさんにご覧いただくのが私も楽しみです」と挨拶。

完成した映画については、「瀬戸内の秘書だったので客観的に見ることはできず、本当にいろんな感情が溢れてしまいました」と語り、「私が知る瀬戸内は88歳で晩年だったので、寺島さん演じるみはるや寂光を通して、出家前後の瀬戸内ってこんな気持ちだったのかな、と想像することができました」と話した。

故・瀬戸内寂聴さんの秘書として知られる瀬尾まなほさん(11月4日・大阪市内)

そして、「映画化されることになったのをすごく喜んでいて、寺島さんと豊川さんが出演することにも喜んでいた」と明かし、「この場にいたらきっと『トヨエツってすっごくいい男よ! 寺島さんはやっぱりすごい女優だわ』て言ってたんだろうな、と思います」と、10年間ともに過ごした寂聴さんの気持ちを代弁した瀬尾さん。

それを聞いた寺島は、「寂聴さんがこの映画を楽しみにしてらっしゃるということは聞いていて、会う約束もしていたんですが、コロナ禍もあって会えずじまいで。瀬尾さんからいただいた手紙に、『寂聴先生と一緒に拝見できなかったことが残念』書いてあって、それを私はご本人からの言葉として受け取りました」と応えた。同映画は11月11日から公開される。

取材・写真/上地智

映画『あちらにいる鬼』

2022年11月11日公開
監督:廣木隆一
出演:寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子、ほか
配給:ハピネットファントム・スタジオ
139分 R15+

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