小栗旬、義時へのSNSの反応「こんなに痛快なことはない」

2022.11.21 07:15

北条義時を演じた小栗旬(写真は第39回より) (C)NHK

(写真2枚)

三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。11月20日放送の第44回『審判の日』を経て、いよいよラストスパートとなってきたなか、クランクアップした小栗旬のリモート取材がおこなわれ、自分が演じてきた「北条義時」というキャラクターを改めて振りかえった。

■「最初から最後まで鎌倉について考えている人だった」

この日はクランクアップ1週間後で、「すっかり日常に戻りました。(義時は)あの日に全部置いてきました」とさわやかに笑う小栗。まずは対立することになってしまった実朝について、「義時としては、どうしても許せないところがあった」と述べる。

「実朝が西におうかがいを立ててしまったら、それまでの東の武士たちによる国造りという理想から外れてしまう。特に義時は、自分と自分の家族のことばかりを考える人が多いなかで、最初から最後まで『どうしたら鎌倉がうまく成り立つか』を考えている人だったと、僕は強く思っているので」と、実朝との分断の理由を語る。

とはいえ「義時も、それを実朝に納得させられなかった結果、最終的に2人がへだたってしまったと思う」と反省をしたうえで、「多分本当は、すごく優れた将軍だったと思う。あの鎌倉殿を立てながらやれる政権があったら、きっとよかったんでしょうけど・・・」と振りかえった。

第41回より。和田合戦で涙を見せる義時(小栗旬)(C)NHK

およそ1年半におよんで演じ続けた義時。最後には「台本をそんなに読み込まなくても、場面がなんとなく思い浮かぶようになっていた」という小栗から見た義時は、一言で言うと「孤独な男」であり、視聴者にもそのイメージを受け取ってもらえたのでは、と自信を見せる。

「まっすぐで明るい男が、いろんなボタンのかけ違いやストレスの重なり、そして『執権という立場である限りは、こう振る舞わなければいけない』という矛盾と突き進まなければならない状況があって、いまの義時になった。ジワジワと彼をむしばんだ何かを48回を使って丁寧に描いたことが、『北条義時』をおもしろい人間像にできた理由じゃないかと思います」と振りかえった。

■ 「役者冥利に尽きる」ダークサイド義時への反響

大河ドラマの長い歴史を振りかえっても、ここまでダークサイドに振り切った主人公は稀。SNSでも、彼の言動を非難する声が応援よりもはるかに多いが、その状況を「こんなに痛快なことはない」と喜んでいる。

「これほどみなさんに『好き』とか『いいね!』とか言われることがないまま来つづけた主役って、すごくいいなあと僕は思います。はじめの頃はストーカー気質で『気持ち悪い』と言われて、今は『怖い』『ヤバい』とかになって。不快感や怒りをおぼえる人が多ければ多いほど、役者冥利につきるというか、そういうキャラクターをやれてよかったと思います」とサラリと語る。

ということで、今のSNSでのアンチ気味な反応は、むしろ「ものすごく励みになった」と言い、さらに今後、トレンドに上がってほしいワードがあるそうだ。

「義時はいつもミスをする人だけど、特におなごはキノコが好きというのを信じ続けた結果、ことごとく敗北しているのは残念。でも『おなごはみんなキノコ好き』が、いつかトレンドワードになったらいいなと思っています(笑)」ということなので、今後キノコ絡みの展開が出てきたら、ぜひこの言葉を書き込みたい。

『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。

取材・文/吉永美和子

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