小栗旬、義時について「守りたかったのは政子と泰時では」

『鎌倉殿の13人』最終回(第48回)シーン写真より、息子・泰時(坂口健太郎)から京の情勢報告を聞く義時(小栗旬)(C)NHK
三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。11月20日放送の第44回『審判の日』を経て、いよいよ物語はラストスパート。そんななかおこなわれたリモート取材で、小栗旬が脚本の三谷幸喜や共演者たちの印象について言及する場面があった。
■ 「ちょっと神がかってたんじゃないか」脚本の完成度
残酷な運命を容赦なく描いたかと思えば、思いがけないコミカルな展開でなごませる。時代劇としてはなんともマイナーな、北条義時および鎌倉幕府創設期を題材にしながらも、視聴者から高い支持を得ることができたのは「やっぱり物語の力」と断言する小栗。
「受け取った脚本が、いつも演じることに対して、すごく前向きにしてくれました。感情にそぐわないとか、場面を説明するようなセリフが全然なかったのは、俳優としてはありがたかったです」と、三谷の台本の完成度を称える。
さらに「偉そうにいうのは何ですが『ちょっと神がかってたんじゃないか?』と思うぐらいの脚本で、毎回毎回読むのが楽しみでした。大河ドラマを本当にこよなく愛している方だと思うし、三谷幸喜さんの脚本でこういう形で大河ドラマをできたことが、やっぱり自分にとっては1番ありがたかったです」と感謝の言葉を述べた。
■ 撮影最終日の前日に来た、三谷幸喜からのメール
三谷が俳優たちに、たびたび感想やアドバイスをメールしていることは、多くの『鎌倉殿』出演俳優たちが証言しているが、小栗も「あのシーンは最高でした」「あの表情は素晴らしい」などの言葉をもらって、自信につなげていたそう。なかでも印象に残っているのは、撮影最終日の前日に届いたメールだ。
「僕と小池(栄子)さんしか撮影が残ってなくて、2人ともすごくソワソワしながらメールのやり取りをしてたんですけど、その流れで三谷さんに『眠れません』ってメールしたんです。そしたら『これまで完璧な演技だったから、安心して明日を迎えてください』みたいなメールをいただいて。それで『すてきなメッセージですね』って送ったら『寝起きにしては、なかなか気の利いたことを書いたでしょ?』って返事が来ました(笑)」という秘話を明かした。

■ 山本耕史や小池栄子ら共演者に「非常に救われました」
共演者に関しては、小栗のようにシェイクスピア劇で演技を鍛えてきた俳優もいれば、歌舞伎やミュージカル、あるいはお笑い芸人まで、幅広い人たちが集結。小栗は「こういった方たちに、非常に助けられたところがいっぱいありました」と振りかえる。
「特に名前を挙げさせてもらうなら、(三浦義村役の)山本耕史さんと(北条政子役の)小池さん。耕史さんは、彼自身もおもしろい芝居をされるんですが、『義時』というキャラクターが、今の自分にどう映っていて、それを見るお客さんたちが、自分のリアクションによって、どういうことを義時に感じるか? ということまで考えて演じてくれる。そこに非常に救われました」と、その技量の高さを語る。
また小池に対しては「僕は姉の息子殺しにいろいろ関わって本当に申し訳なかったけど、『なんで(政子は)普通にしていられるんだろう?』と思う瞬間がいっぱいありました」と明かしたうえで、「人間って生きていく限りは、悲しみや苦しみに一度フタをしなきゃいけない瞬間があるけど、政子はそれが意外と明るいんです。そこは小池さんが演じたからこそ、説得力を持って見せられたと思います」と分析。
それを踏まえて、義時が本当に守りたかったのは鎌倉ではなく「政子と(息子の)泰時」だったのではないか、とも。
「昔と変わらず、いいことはいい、悪いことは悪いと言う政子の純粋さ。そして、昔の自分を見ているような泰時を屈折させるわけにいかないというのが、最後の最後まで義時が守り抜こうとしたもので、それが自分のなかでは肝でした」と振りかえり、「2人をまっすぐに演じてくれる、小池さんと(泰時役の)坂口健太郎くんがいたから、非常に楽しかったです」と述べた。
『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。
取材・文/吉永美和子
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