「初物食いが好きな人は、ぜひ」新納慎也がブロードウェイ作品に

2022.12.24 08:15

ブロードウェイミュージカル『バンズ・ヴィジット』で主演を務める俳優の新納慎也

(写真2枚)

ミュージカルの舞台を中心に活躍し、最近ではNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』阿野全成役で強い印象を残した俳優・新納慎也。2023年冬に日本初上演されるミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』に出演。2月の大阪公演に先立ち、新納がリモート会見をおこなった。

■ 「ジワっとなるような舞台です」

演奏旅行でイスラエルを訪れたエジプトの警察音楽隊と、彼らが迷い込んだ街の人たちとの一夜の交流を描いた、同名映画が原作。2018年に、アメリカの演劇賞『トニー賞』ミュージカル部門で、作品賞をはじめとする10部門を受賞した話題作だ。

新納はこの作品を、一足先にブロードウェイで観劇。華やかにショーアップされた大多数のブロードウェイ・ミュージカルと異なり、「すごく演劇的で、心に染み渡るような作品」との印象を受けたという。

「派手さはなく、地味といえば地味。物語も静かに流れるような感じで、終わり方も『あ、これって終わり?』という作品」と言いつつも、「言葉もままならない人たちが、一緒に一夜を過ごすなかで、音楽の力で交わっていく。それってミュージカルの醍醐味だし、帰り道に『いい作品を観たな』と、ジワっとなるような舞台です」と、その魅力を熱弁した。

■ 洋服店を交えて分析「関西の人は『1点しか入ってない』と言う」

新納が演じるカーレドは、ブロードウェイで観たときに「この役がやりたい」と望んだ役。音楽隊が「迷子」になる原因を作るなど、本作のなかでは少しクセの強いキャラクターだ。

「『本当に警察官に合格したのかよ?』と思うほどチャラい(笑)。彼なりの悩みはあるでしょうけど、基本的には女性と遊んできたんだろうなという感じの色男です」と説明したうえで「冷戦下の国に足を踏み入れた緊張感と、旅行気分を楽しもうという人間味も出せたら」と希望を語った。

また、関西から東京に出店した洋服店の友人の話をまじえて、本作が関西の人に受け入れやすい理由も披露。

「関西の人は『1点しか入ってないんです』と言うと売れて、東京の人は『今売れているんです』というと買っていくと。この『なにも起こらない大人のミュージカル』は、珍しいものが好きな関西の人にいいのでは」と語り「日本のミュージカル界の新たな突破口となる作品。初物食いが好きな人は、ぜひ観に来てください(笑)」と、観劇を呼びかけた。

新納のほかには、風間杜夫、濱田めぐみ、矢崎広などが出演。2月の東京公演を経て、大阪は3月6日~8日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)で上演。チケットは1万3500円で、12月17日から発売開始。

取材・文/吉永美和子

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』

会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府大阪市北区茶屋町19−1)
料金:1万3500円
期間:2023年3月6日(月)〜3月8日(水)

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