カベポスター、独特な空気感保つ「フラット」な出囃子とは

2022.12.3 10:15

お笑いコンビ・カベポスター(左から永見大吾、浜田順平)

(写真8枚)

お笑い芸人が舞台へ上がる際に流れる音楽「出囃子」。芸人にとっては自分たちの登場を知らしめる重要なテーマ曲、また舞台に立つエンジンであり、それぞれに思い入れがあるはず・・・。

そこで「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区:以下、マンゲキ)所属芸人から、曲に込められた想いや経緯などを深掘りする連載がスタート。マンゲキメンバーの兄貴的存在・スマイルの瀬戸をインタビュアーに迎え、7回目は2022年『ytv漫才新人賞決定戦』『ABCお笑いグランプリ』と賞レース2冠、『M-1グランプリ2022』では初のファイナリスト入りと、快進撃が続くカベポスター(永見大吾、浜田順平)に迫ります。

「キャラ作りが難しくて、いつもの2人の感じを」(永見)

お笑いコンビ・スマイルの瀬戸(右)。今回は吉本本社の一角でインタビュー開始です

瀬戸:今回はカベポスターさんでございます。すみませんね、こんな『M-1』前の大事な時期に・・・瀬戸と喋ってる場合かってね。

永見:いやいやいや。

浜田:とんでもないですし、敬語もやめてくださいよ!(笑)

瀬戸:1番仕上げなあかん時期にね、ありがとうございます。カベポスターはもう何年目になるん? 「マンゲキ」ではぼちぼちお兄さん的存在なんちゃう?

浜田:9年目ですけど、ほんまに中間くらいですかね。僕らは36期で、それ以下の「翔(かける)メンバー」っていう若手のチームに所属してるんですけど、下は44期の子とかもいるんで、ちょい兄さん感は出させていただいてます。

瀬戸:そんな感じよね。カベポスターのスタイルってさ、どう言えばいいんやろうな? ほんまに独特というか。ゆったりとしてるけどたたみ込むときもあるし、パッと見マイクから動かんから正統派かと思いきや正統派とも言えない。

永見:結構いろんなこと言われますね。賞レースとか出させていただくときは、不思議な感じって言われるときもあるし、正統派みたいなキャッチフレーズ付けられるときもありますし。

瀬戸:「カベポスター」というジャンルになりすぎてて、みんな分からんねんやろな(笑)。生身の漫才ももちろん見たいけど、カベポスターはラジオでずっと聞いていたい、ゆったりとした・・・この雰囲気は意識してなのか、いつもの永見自体がそんな感じやもんな。

永見:あんまり無理しないようにと言いますか、キャラ作るのがお互い難しそうだったんで、いつもの2人の感じでネタを書こうって気持ちはありますね。この2人だから成立するっていう。

浜田:でも最初はもっと声も小さかったですし、少しずつどうやったら聞いてもらえるかを考えてやってきた感じですかね。劇場メンバーに入れず跳ね返されてたんで、コント漫才とか動きのあるネタもやったりもしていましたよ。

凍える永見、上の空の浜田、インタビューする瀬戸「いや、絶対寒ないやん…」

永見:別に悪くはなかったんですけど、普通に喋っているのに近いネタに戻したら『ABCお笑いグランプリ』で決勝に残れて、これで認めてもらえたっていうので、今はそれでやってる感じですね。もしかしたら、コント漫才とか色々なネタを書いた経験もあって、より良い台本ができるようになったのかもしれないです。

瀬戸:無理をせずに、自分らのできることを表現しだすようになったら、ちょっと周りも評価し始めてくれた。9年やってきて、2人は独特な空気感もあるけど・・・お互いを見てどういう人やなって思ってる?

永見:浜田は正義感が強いっていうのはありますね。多分、曖昧なことがなくて、ちゃんと自分のルールがあるんです。例えば女性のスカートのなかを盗撮したとしても、全部ちゃんと理由があるんです。「撮りましたよね?」って詰められても、ちゃんと「いや、これはこうだから撮りました!」って言えるみたいな。

浜田:ちょちょ、例えどうにかならんの? でもこだわりがあるっていうのはありますね。変やなって思われる行動もしていると思いますけど、聞いてくれたらちゃんと理由は言えそうな気はします。

永見:こだわりっていうよりかは、ちゃんと分析をしてこれが1番だ、みたいなものを持ってる印象ですね。

瀬戸:でもさ、結構しっかりしてるイメージやけど、最近「マンゲキ」ではイジられ始めてない?

永見:そうですね、こんなに理由もってる人あんまりいないんで(笑)。

瀬戸:そっちで?(笑) イジられるって本当アホで天然なやつか、賢すぎて「なんやねんこいつ!」って鬱陶しいやつかやと思うけど。

浜田:今、瀬戸さんが言った全要素持ってるかもしれないです(笑)。僕的には一生懸命ツッコむからって分析してるんですけど。

瀬戸:カベポスターの世界観があるからパッと見じゃそんな感じ伝わらへんけど、めちゃくちゃ人間味あるやん(笑)。永見は?

浜田:永見は本当「お笑い」にこだわりがあって、自分のやりたい言葉とかも大事にしてますし。僕はどっちかって言ったらウケたらいいかなっていう感じで、言葉選びするんですけど、永見は自分のおもしろさを出したいっていう・・・ことお笑いに関しては、めちゃくちゃ頑固っすね。

瀬戸:元々ハガキ職人っていうのもあるからかな。でも良いことやもんね、見てる側にもそれは伝わってるやろうしね。

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