政府示す「医療ひっ迫宣言」に疑問視、大阪府「意味ある?」

2022.12.1 11:45

政府による「医療ひっ迫防止対策強化宣言」の説明 内閣官房・新型コロナウイルス感染症対策ページより引用

(写真2枚)

大阪府の定例会見が11月30日に実施され、政府が示した「医療ひっ迫防止対策強化宣言」について「どこまで意味があるのか? というのは思うところ。府の基準や拡大状況に応じて、これまで同様に判断していきたい」と、吉村洋文知事は消極的な姿勢を見せた。

新型コロナウイルス感染症の大阪府の感染状況は現在、直近1週間の新規陽性者数が1日平均4895人で前週比約1.19倍。病床使用率も重症病床が5.4%、軽症・中等症が32.8%となっており、増加傾向を見せている。

そんななか政府が示した「医療ひっ迫防止対策強化宣言」は、病床使用率が50%を超えるなど「レベル3 医療負荷増大期」になった場合、都道府県が独自に同宣言を出して住民に協力を要請できる仕組み。この宣言を発令させても感染拡大が続き「レベル4 医療機能不全期」になった場合、「医療非常事態宣言」となる。

これについて吉村知事は、「我々はこれまでも医療非常事態宣言をやってきている。その前段階の中2階みたいな制度に、どこまで意味があるのか? 伝わるのか? というのは思うところ。北海道などエリアによっては50%を超えているが実際に宣言が使われていない、というのはどこかに問題があるんじゃないかと思う」と話す。

今後、府の感染拡大が進んだ場合、同宣言をおこなうかどうかについては、「府では基準を定めて医療非常事態宣言もある。薬やワクチンもできて、致死率や重症化率も出てきているので、これまでと同様に状況に応じて判断していきたい」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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