構想&制作に約1年…「阪急うめだ」名物クリスマスウインドー

2022.12.3 18:15

「阪急うめだ本店」のコンコースウィンドー。唯一無二の展示に魅了されたファンからは、手紙や花束が届くことも

(写真4枚)

大阪屈指の繁華街・梅田で、ひときわ目を惹く、「阪急うめだ本店」(大阪市北区)の巨大ディスプレイ「コンコースウインドー」。ファッションをメインに展示していた1972年のウインドー誕生時から試行錯誤を重ね、現在の「キャラクターウインドー」がお馴染みとなっている。

絵本の世界観を広げ、オリジナルストーリーを生み出しているのも、同ウインドーを楽しむ上での醍醐味。「絵本に沿ってやっていくだけでは限りがある。みんなで話し合いながらストーリーを練って広げ、それぞれの作者のタッチで仕上げていきます」と、人気催事のディスプレイ装飾で指揮をとる、同百貨店ストアデザイン部・アートディレクターの亀山和廣さんは話す。

1980年代以降はターゲット客層の30~40代女性に向け、「まだ日本で知られていないキャラクターを」と、絵本の世界観を表現するようになったという同ウィンドー。なかでもクリスマス時期に特に注目が集まる「コンコースウインドー」は、展示の約1年前から構想が練られる大がかりな仕事だといい、造形作家ら約100人が参加する。

使用するマリオネット作りや背景の色塗りなど、実際の制作作業は5カ月余り。最終の搬入作業はお披露目の2日前に開始し、閉店時間内におこなうため、毎回時間との闘いだ。

亀山さんは「すべてのものが調和するようにトーンを合わせる」ということを意識するといい、明るさや影の付き方など現場だからこそ気がつく点を瞬時に改善していき、今回の『不思議の国のアリス』が無事お披露目された。

これまでも「少し毒のあるような」「怖いものは印象に残る」と大人向き要素も取り入れてきた亀山さん。絵本を1枚ずつめくっていくような感覚でウインドーをのぞけば、独特のリズムで動く奇妙でユーモラスなキャラクターや小物が散りばめられており、原作の魅力を再発見できそうだ。「阪急うめだ本店」1階コンコースにて、12月25日まで展示。

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