伊勢海老やカニ…ラッコのエサがお正月レベル?その真相を訊いた

2022.12.22 14:15

左からキラちゃん、メイちゃん(写真提供:鳥羽水族館)

(写真3枚)

つぶらな瞳に大きな鼻、丸いフォルムがキュートな「ラッコ」。ラッコといえば水面に浮かびながら、お腹の上で石を使って貝を割る姿が有名だが、SNSではその「ごはん事情」が話題に。

とあるユーザーが「水族館好きにとって『ラッコのエサみたい』という言葉は、伊勢海老が出てきたときに使う」という内容の投稿をすると、「ラッコちゃん伊勢海老食べるの!?」「ラッコのエサ代がバカ高いというのはよく聞く話」「伊勢海老とかカニって・・・正月やん」など、驚きや納得の声が寄せられた。

実際のところ、ラッコの食事はそこまで豪華なのだろうか? 気になる真相について、2頭のラッコを飼育している「鳥羽水族館」(三重県鳥羽市)に話を訊いてみた。

■ 実は日本に3頭しかいない・・・希少なラッコ

水族館で見られる動物としてポピュラーなイメージがあるラッコ。しかし、アメリカの国内法で捕獲が禁止され、絶滅危惧種に指定されて以来、海外からの輸入は不可能となった。さらに国内での繁殖が難しいということもあり、日本で飼育されているラッコは同館のメイちゃん・キラちゃんを含めて3頭しかいない(2022年12月時点・もう1頭は福岡の「マリンワールド海の中道」にいる)。

そんな希少な動物だからこそ食事も豪華なのか・・・と思いきや、2頭が同館で食べているものは野生のラッコとそう変わらず、主にイカやカニ・アマエビなどの甲殻類、ウチムラサキガイやホタテといった貝類、タラやカジキなどの白身魚などを食べているそうだ。

メイちゃんがエサを取る際に見せる「イカミミジャンプ」(写真提供:鳥羽水族館)

なんともおいしそうな食事だが、その量も相当なもの。1日あたり体重の20~30%の量を食べるので、30kgのラッコだと約6~9kgもの魚介類を食べていることになる。

気になる「伊勢海老」だが、年に数回、誕生日やお正月といった特別な日にプレゼントという形で登場するんだとか(キラちゃんは伊勢海老を食べないのでメイちゃんのみ)。さすがに毎回の食事に伊勢海老が出るわけではないものの、2021年のお正月は、3日間で6尾もの伊勢海老をメイちゃんにプレゼントしたというからなんとも羨ましい。

その食事風景も公開されているので、お正月やメイちゃんの誕生日である5月9日に来館すると、伊勢海老にかぶりつく姿が見られるかも? ただし、毎年お祝いのため訪れるファンも多く、混雑して見られない可能性があるのでご注意を。

同館の担当者によると、「朝・昼・夕の1日3回おこなっている『お食事タイム』では、2頭のかわいらしい仕草を見ることができるのでおすすめです。特に平日の朝はお客さんも少なく、比較的ゆっくりとご覧いただけますよ」とのこと。伊勢海老でなくても2頭が食事をする姿を見てみたい!という方は「お食事タイム」を狙ってみては。

取材・文/つちだ四郎

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