「愛があってこそ…」義時の死の真相に、SNS感嘆【鎌倉殿】
三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時の生涯を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。12月18日の最終回「報いの時」では「承久の乱」と義時の最期が一気に描かれ、思いがけないラストに驚きの声が上がった(以下、ネタバレあり)。
■ 毒を盛られ苦しむ義時に、姉・政子は・・・
後鳥羽上皇(尾上松也)と戦う決意をした義時は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の強い意見もあり、息子・泰時(坂口健太郎)を総大将に、自分たちから京に攻め入る。最初は18人だった兵は19万人となり、京を制圧。後鳥羽上皇は隠岐に流罪となった。
その直後から義時は病気がちになるが、医者(康すおん)の見立てで、毒を盛られたことがわかる。最近薬草をすすめてくる妻・のえ(菊地凛子)を問いただすと、あっさり白状。「もっと早くお前の本性を見抜くべきだった」とくやむ義時に対して、のえは「あなたには無理。私のことなど少しも見ていなかったから」と言い、義時に言われるまま、彼のもとを去る。
義時の見舞いで訪れた姉・政子(小池栄子)は、一緒に鎌倉を守ってきた日々を振りかえり、義時は「血が流れすぎました」と言って、非業の死を遂げた13人の人間の名を挙げていく。しかしそのなかに、病死と聞かされていた自分の息子・頼家(金子大地)が入っていることに気づいた政子は義時を問い詰め、実際は義時の差し金で暗殺されていたことを知る。
そのとき発作を起こした義時は、薬を取るよう政子に頼むと同時に、泰時のために今後も血の粛清を続け、「この世の怒りと呪いをすべて抱えて、私は地獄へ持っていく。私の名が汚れる分だけ、北条泰時の名が輝く」と訴える。それを聞いた政子は「私たちは長く生き過ぎたのかもしれない」と、薬を床に捨ててしまう。
苦しむ義時に対して政子が「太郎(泰時)は賢い子。頼朝さまやあなたができなかったことを、あの子が成し遂げてくれます」と告げると、義時は政子に、自分が源頼朝(大泉洋)から受け継いだ小さな仏像を、泰時に渡すように乞う。政子はそれを承知したうえで、義時に「ご苦労さまでした、小四郎(義時)」とやさしく呼びかけ、動かなくなった弟の前でいつまでもすすり泣くのだった──。
■ 愛してた分憎くてたまらなかった・・・のえに同情する声
関係者の誰もが「声を上げるほど驚いた」という義時の最期と、タイトルの「報いの時」が意味するもの。そして「承久の乱」から義時の死を1時間の尺のなかでちゃんと描けるのか?・・・など、数多くの回収事項を抱えていた最終回。しかしそこはさすが三谷幸喜。私たちの予想をはるかに超えつつも、ハッピーともバッドとも言えない不思議な感触もあり、でも誰もが納得してしまうという、前代未聞のエンドを描いてみせた。
まず義時の死の引き金を引いたのは、前回で真犯人説が急上昇したのえだった。息子・政村(新原泰佑)を後継にするという野望から、夫を毒殺したというのは、義時の死因の通説の1つとなっているが、その説を採用しつつも、そこに「妻として受け入れてもらいたかった」という、のえなりの愛情の裏返しという、1つの救いを盛り込んだ。
このドラマならではの説に、SNSは「自分のことを少しも見てくれていない小四郎が、愛してた分、憎くて憎くてたまらなかったんだよね」「ここまでさせたのは義時自身の業なんだよなあ」「何であんな回りくどい方法を取ったのか考えてたけど、あれは途中で気づけばやっと小四郎がのえを見たという証拠だし、気づかなかったら最後に小四郎を看取るのはのえという、どっちに転んでものえの勝ちだし、気付いてもらえて少しうれしかったのかも」と、義時よりものえに同情する声が集まった。
■ 義時が目指したものとは? 斬新なラストにSNS衝撃
しかしとどめを刺すのは、そののえが「大好きなお姉様に看取ってもらいなさい」と言い放った通り、これまで人に手をかけたことがなかった姉・政子の役割となった。息子の死に弟が関わっていたのを知ったことで、それ以上罪を重ねることに耐えられなくなり、生命維持となっていた薬を捨てることで死に至らしめる。しかしそれは息子の復讐というより、弟がこれ以上傷つくのを避けるための慈悲に近い行為だ。
SNSでも「生にしがみつかんとする義時からその機会を奪う政子は、彼からすれば無慈悲かも知れないけれど、視聴者の目には最愛の弟を血塗られた修羅道から救う慈悲の仏にも映るという凄まじい構図」「『政子性善説』を大々的に打ち出しておきながら、最後の最後で、史実にはない大悪事『弟の殺害』をぶっこんで、やさしい大悪女にしよった」「弟を自ら手にかけるようなものだけど愛があってこそなんだよな」と、納得するような声が多数。
そして義時と政子が、泰時に未来の希望を託して終わるというラストにも「なんだこの、ハッピーエンドとは言えないけど至上の終わり方・・・泰時に全てが、希望が託されていく物語でもあったとは」「全ては我が子泰時のためだったのか・・・いや~このフィナーレはスゲェっす」「あまりの展開に泣きながら口ぽかんなってた」「賛否両論あるに違いないモノホンの『衝撃のラスト』でした。この終わりを選べるのはすごいわ!」などの興奮のコメントが止まらなかった。
■「13人ってそれ!?」まさかのタイトル回収に驚き
しかしこのラストと同レベルで視聴者がのけぞった展開が、もう1つのタイトル回収。この『鎌倉殿の13人』は、源頼家の政を補佐するために13人の御家人が集まった「13人の合議制」が元ネタだと言われていたが、義時が「鎌倉(殿)のために」と手をかけた人間たちの数もまた、(そのとき思い出した人間限定ではあるけど)13人だったというオチだ。
この展開には、「義時こそが頼朝の後継者である真の鎌倉殿であり、その男のせいで死んでいった人数が13人ということで『(真の)鎌倉殿の(業の合計が)13人』というタイトル回収」「タイトルの意味を亡くなった人数にして回収するという高等テクニック」「まさか義時のデスノートリストが大河ドラマのタイトルだなんて思わなかった」など、ドラマを見続けてきた視聴者から驚きの声が次々に上がっていた。
◇
古沢良太脚本・松本潤主演の、次の大河ドラマ『どうする家康』は、1月8日よりNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第1回「桶狭間でどうする」では、今川義元(野村萬斎)の元で人質として平穏に暮らしていた徳川家康(当時松平元康/松本)が、織田信長(岡田准一)との戦に駆り出され、そこでまさかの知らせが届いてしまう・・・という話を、15分拡大バージョンで放映する。
文/吉永美和子
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