かわいい…と思いきや「オラついてた」、赤ちゃんペンギンに悶絶

2022.12.28 14:15

まさに「オラついてる」らしい、ケープペンギンの赤ちゃん(写真提供:神戸どうぶつ王国)

(写真3枚)

首をかしげながら、こちらを見つめるケープペンギンの赤ちゃんの動画がツイッターに投稿され、1.6万いいねがつくなど話題となった。「かわいすぎる・・・」と思いきや、そのツイートには「健康チェックに来た飼育スタッフにオラつくペンギンの赤ちゃんたち『おらー』『なめんなよー』」との文言が。え、オラついてるの!?

一見、甘えているようなかわいい仕草ながら、実は威嚇しているというケープペンギンの赤ちゃん。当時の状況について、動画を投稿した動植物園「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)の飼育員・木下野々花さんに訊きました。

──ケープペンギンの赤ちゃんたちが、カメラの方を見つめながら首をかしげる姿に、みなさん「あざとかわいい!」などメロメロになっていますね。でも実際は「オラついていた」というギャップがたまりません。これはどういった状況ですか?

健康チェックのために、ケープペンギンの赤ちゃんたちに近づいたのですが、普段、ヒナのいる巣の周りは両親しか近寄りません。なので、部外者の私たちに対して威嚇行動が出たんだと思います、1人前に(笑)。

──かわいいですね(笑)。健康チェックではどのようなことをするのでしょうか?

健康チェックは、まずヒナたちに異常がないか(ケガはないか、体調悪そうにしていないないかなど)、ヒナのお腹を触って(お腹が張っていればOKだそう)、親鳥からしっかりエサをもらっているかなどを確認します。みんなすくすくと育っていますよ。

──現在、ケープペンギンは何頭飼育されているのでしょうか?

現在の飼育頭数は28羽で、そのうち、赤ちゃんは3羽(9月24日、10月20日、10月23日生まれ)います。生まれたては約50〜70gほどですがで、現在は2kg以上に大きく育ちました。最近では自分たちで穴を掘って巣を広げています。

10月20日&23日生まれのケープペンギンの赤ちゃん(写真提供:神戸どうぶつ王国)

──今回のように、かわいらしい姿なのに実は威嚇していたなど、人間からするとちょっと驚くようなペンギンの習性などはありますか?

親鳥(成鳥)のエサは魚ですが、ヒナのエサは親鳥が食べたものを消化して吐き戻したものを口移しでもらっています。大きくなってきたら半消化やほぼ丸々魚を食べています。

また、親鳥が狩りに出かけている間、クレイシと言われる場所で、子育てをしていないほかの大人たちが子どもたちを守っています。人間の社会も今でこそ保育園がありますが、その昔は親が留守のときはご近所の人たちが面倒を見てくれていましたが、それに似ていますね。 厳しい環境を生き抜くために集団行動をする動物なんですよ。

──そんな習性があるのですね。ケープペンギンの赤ちゃんたちは、園内で観察できるのでしょうか? また、ペンギンたちの可愛い姿が見れるおすすめの時間帯やチャンスはありますか?

展示場にいるのでタイミングが合えば見ていただけます。ただ、巣が端にあるのでと、誤って入水しないように柵を作っているので見えにくいと思います。

運が良ければ、親の口からご飯をもらっているシーンが見られるかもしれません。時間は不定期ですがペンギンたちの観察中に、ピィピィと高い鳴き声が聞こえたら、ヒナが親鳥にご飯をおねだりしているときです。赤ちゃんたちの姿は今しか見れないので、ぜひ会いに来てください。

「神戸どうぶつ王国」は、年末年始も1月9日まで休まずに通常営業中。1月1日からは、来年の干支となるウサギと写真撮影ができるイベントもおこなわれる。営業時間は朝10時〜夕方5時。

取材・文/野村真帆

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