影までカラフル! 京老舗喫茶の看板メニューも、光輝くアート展

2022.12.31 14:30

真っ白な空間に喫茶メニューの「イミテーション」が展示される

(写真7枚)

色鮮やかなゼリーポンチ、アイスクリームが乗ったクリームソーダ・・・ときめく見た目の喫茶メニューが「ステンドグラス」になったアート展が、「大丸梅田店」(大阪市北区)でスタートしている。

もともと西洋から伝わってきたステンドグラスをメインに日本文化の要素を融合させた独自の作風を生み出している、作家・ひらのまり氏。喫茶店のショーケースに並ぶ食品サンプルに魅了され、2018年頃から制作を始めたという。

今回の展覧会では、純喫茶やカフェの食べ物やドリンクを鮮やかなステンドグラスで表現した、ひらの氏の代表作がお目見え。ひらの氏は主に透明のステンドグラスを用いて制作するそうだ。作品は真っ白な空間に並んでおり、それぞれが光に照らされ、着色されたガラスは影もカラフルに。なかでも目を引くのは『ゼリーポンチ〜喫茶ソワレ〜』(19万8000円)。こちらは京都で連日行列ができるレトロ喫茶「喫茶ソワレ」の看板メニュー「ゼリーポンチ」をモチーフにした作品だ。

ステンドグラスのアート・メゾン「GRATITUDE」のアーティスト ひらのまり氏

ひらの氏は、「食べものは私たちにとって一番身近な存在。だからこそ食べ物をテーマにすることで、アートをもっと身近に感じていただければうれしいですね。作品は食べられないけれど、目で楽しんでいただき、味や食感を想像して心を満たしてもらえれば」と話す。

そのほか、和歌山に古くから伝わる「根来継ぎ(ねごろつぎ)」を施した作品も。和歌山に古くから伝わる「根来塗り」の技法と破壊された器を金で繋ぐ「金継ぎ」を加味し、破壊された箇所にステンドグラスを使用して、漆で繋いでいる。喫茶の源流である茶道と掛け合わせた、これらの作品も必見。

『GRATITUDE ステンドグラスが織りなす「こころを満たす喫茶展」 by ひらのまり』は、2023年1月17日までの開催。入場料無料。

取材・文・写真/宮口佑香

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本