お笑いコンビ・フースーヤ、魂込める「名刺代わり」の出囃子

2023.1.8 09:30

お笑いコンビ・フースーヤ(左から田中ショータイム、谷口理)

(写真8枚)

お笑い芸人が舞台へ上がる際に流れる音楽「出囃子」。芸人にとっては自分たちの登場を知らしめる重要なテーマ曲、また舞台に立つエンジンであり、それぞれに思い入れがあるはず・・・。

そこで「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区:以下、マンゲキ)所属芸人から、曲に込められた想いや経緯などを深掘りする連載がスタート。マンゲキメンバーの兄貴的存在・スマイルの瀬戸をインタビュアーに迎え、8回目はギャグを連発しアップテンポで進める「新漫才スタイル」を確立した、フースーヤ(田中ショータイム、谷口理)に迫ります。

■「よりネタに入りやすく、僕らそのままの曲」(ショータイム)

瀬戸:明けましておめでとうございます! 清々しく明けましたね! そして新年一発目がフースーヤなんですけども。

谷口理(以下:谷口):やったぁ〜! ありがとうございます!

瀬戸:これが出囃子に特化した連載やねんけど、ほんまにね、今までにフースーヤの出囃子がかっこいいっていう声は挙がってたよ。

田中ショータイム(以下:ショータイム):まじっすか! ちょっともう瀬戸さん!・・・冗談キツいっすわ!

瀬戸:そんな下手くそなんはいらんいらん!(笑) でも身内に言われるのはめちゃくちゃうれしいんちゃうん?

谷口:かなりうれしいっすね! でも合ってるな、とは自分らでも思います。ザ・クロマニヨンズさんの『ひらきっぱなし』(2010)って曲なんですけど。

お笑いコンビ・スマイルの瀬戸。今回は2023年一発目、吉本本社でインタビュー開始です

瀬戸:この曲の後にはフースーヤが出てくるわぁ・・・。やっぱりこの曲は歌詞が決め手なん? 冒頭の「はじめから全開で行けるとこまで〜」とか。

谷口:そうっすね、クロマニヨンズももちろん好きですけど、歌詞がバチハマりしましたね。僕ら若手でトップ出番も多いんで、ライブを盛り上げるっていう意味でも良いし。

瀬戸:これはどういった経緯で決めたの?

谷口:僕が元々ブルーハーツが好きで、クロマニヨンズもずっと好きで聞いてて。ショータイムにも何個か出してもらったんですけど。ほかはウルフルズの『バカサバイバー』とか・・・あとnobodyknows+の『ヒーローズカムバック』も言ってたな。

ショータイム:『NARUTO』の第2部のオープニングで、ナルトが少年時代から大人になって帰ってくるんですけど、そこで使われてる曲で。歌詞の内容的にもむちゃくちゃかっこ良かったんですけど・・・。

谷口:1番おいしい歌詞の「出れる!」ってなるとこまでがちょっと長かったんですよね。切り取りすぎても変なんなるし、それでいうとこの曲は完璧やったっすね。

ショータイム:僕の候補としては、サクラ大戦の『檄!帝国華撃団』。かっこいいんで、単独(ライブ)の出囃子にしていました。ネタを何個かするんで、出る曲をそれぞれ自由に決めてるんですけど、そのなかで。

谷口:2人ともアニソンが好きで、配信のない単独やったら出囃子を全部アニソンにしてたりしてます。

瀬戸:そんな単独の曲とかも結構話合うんやな! どっちかが中心で決めていくとかではなく。

谷口:片方がこれで! とかは特にないんですけど、一応分担はあります。客入れのBGMはショータイムに任せてるんですけど、こいつK−POPも好きやからめっちゃ流すんですよ。結構ジャジィーなK−POP流すから、マンゲキがでっかいバーみたいになってるときもあって(笑)。

ギャグを連発、ネタ中も動き回るフースーヤ。舞台上にも飛び跳ねて登場するのがお決まりのスタイル

瀬戸:ハハハ! ばっかばかしい漫才が今から始まるのに?(笑) でもフースーヤってバカな感じと、今風のオシャレな空気感も醸し出してるよね。

谷口:そうっすね。そのへんはショータイムに信頼おいてるんで。センスもあるし。

瀬戸:これまで話聞いてきて、出囃子にこだわるとき、逆に邪魔になってしまうって意見があるんよ。曲でハードル上げすぎるとかね。これでいうと「初めから全開で」って歌詞を聞いて2人が出てくるわけやんか。そこは関係なく?

ショータイム:なんでしょう・・・これ以外やったら出る意味ないというか。歌詞でハードルが上がったとしても全然いいです。僕らそういう人間だぞって分かってもらえたらそれでいいというか。

谷口:僕らの気の持ちようというか、例えば朝1発目の寄席とかでも、この曲聞いたらグッとなるんで。

瀬戸:それでいうと出囃子でフラットにして舞台に出たいっていう芸人もいれば、フースーヤに関しては説明書というか、フリになってるんか。

谷口:そうですね、とりあえず出囃子で名刺配って。

ショータイム:っていうのを分かってもらえたほうが、よりネタに入って来やすいんちゃうかなって。もうそのままじゃないですか(笑)。この曲以外やと、舞台に出ていくのがキツいかもしれないっすね。

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