のちの四天王も登場…『どうする家康』覚醒続く展開に拍手喝采

2023.1.18 06:45

織田信長(岡田准一)に包囲される松平元康(松本潤)と家臣団(C)NHK

(写真2枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。1月15日の第2回『兎と狼』では、自害を思うほど追い詰められた松平元康(のちの徳川家康)が、ついに主君として覚醒する様が描かれた。(以下、ネタバレあり)。

■ 信長の言葉を思い出し、奮い立った元康

おそれていた織田信長(岡田准一)との正面衝突を回避できた元康たちは、駿府に戻ることに。しかしその準備をしている間に、今川家から送られていた岡崎城の城代が討死し、家臣たちも駿府に引き上げたとの知らせが入る。岡崎に戻るべきという家臣たちと、妻子のいる駿府に戻りたい元康の間で意見が衝突し、おのおの好きなところに戻るという結論に達する。

わずかな家臣とともに駿府を目指す元康の前に、同族の松平昌久(角田晃広)が兵を率いて迎えに来る。「昌久には何度も裏切られてきた」と家臣たちが渋るのを制し、昌久の前に現れた元康だったが、昌久は攻撃を開始。鳥居忠吉(イッセー尾形)をはじめ、多くの兵が負傷し、元康たちは菩提寺の大樹寺に逃げ込む。

自分の判断の誤りで大勢の人を傷つけたことと、自分の首を昌久に差し出せば家臣たちは救われると思い詰めた元康は、本多忠勝(山田裕貴)の介錯で自害することを決意。寺の壁に掲げられた「厭離穢土欣求浄土」の文字を見て、「穢れたこの世から極楽に行く」と決めるが、ふと織田家の人質として、信長と過ごしたときの出来事が頭をよぎった。

乱暴な取っ組み合いを毎日仕掛ける信長に、元康は「兎ではない、寅じゃ!」と反撃し、「その目だけは忘れるな」と言われたことを思い出す。さらに、寺にいた武士の子息・榊原小平太(杉野遥亮)には「厭離穢土欣求浄土」の本当の意味は「穢れたこの世を浄土にする」だと教えられた。

それを心に刻んだ元康は寺を出て、昌久に兵を引くよう迫り、家臣たちを奮い立たせるとともに、道を譲らせることにも成功。元康が無事に岡崎城に入ったという知らせは、妻の瀬名(有村架純)、今川氏真(溝端淳平)、そして信長にも届く。城で家臣たちを鼓舞し、喝采を浴びた元康だが、ふと1人になると思わずつぶやいた──「どうしよう、これから・・・!」。

駿府で夫・元康の無事を祈る瀬名(有村架純)(C)NHK

■ 早くも覚醒した主人公に戸惑う声「どうする私」

第1回に引き続き、とても「のちの天下人である」とは思えない、家康のへたれプリンスぶりが全開だった第2回。しかしドラマの残り10分で、あれよあれよという間にいろんなピースが重なって、自分は三河と家臣を守る立場にあると自覚し、地獄のような今の世を浄土に変えると決意するという、早くも主人公覚醒のターンとなった。

この展開にはSNSも、「過去と現在が混ざり合い元康覚醒!」「兎が寅になった!」「表情が変わりましたね元康くん・・・殿の顔になったよ」と大勢が喜ぶ一方で、「殿の覚醒ぶりに家臣がついていけてない!!(笑)」「家康の覚醒の大きさについていけない。どうする私」という戸惑いの声も。

とはいえラストでは「どうしよう?」と、元のへたれに逆戻り。「うさぎはうさぎでした」「もう少し修行が必要か」などの叱咤激励も飛んだが、「失敗を糧に急にレベルアップするんじゃなくて、限りなくアウトに近いところまで行ったら怖いものがなくなって、ハッタリパワーでいい感じに転がすけど中身はあんまり変わってない、という落としどころが上手い」「覚醒→弱気を繰りかえしながら1年見るんだろうなと確信しました。着いて行きます」と、今後の展開を読んで期待する人も多かった。

また、第2回で早々に自害しようとした家康に対して、「第2回で終わるのかと思った」「第2回で主人公がもう皆のために命を絶とうとする大河ってあったっけ?」と、そんなわけないと思っていてもドキドキしたという声が多かったが、史実でも家康はピンチのたびに「切腹する」と言い出すクセ(?)があったというので、今後おなじみの光景になるのではないだろうか。

SNSでは、特に筋金入りの歴史クラスタから「家康ワシしぬしぬカウンターがひとつ回った」「貴重な最初のシーン」とのつぶやきがあふれ、それを受けて「有識者がそろって『家康の死ぬ死ぬ詐欺記念すべき第1回目です、実はこの後何回も切腹しようとします』って言ってるのがめちゃくちゃ笑う」という声もあった。

■ 榊原康政が初登場、のちの「徳川四天王」が続々

そして家康の偉業を語るうえで外せないのが「徳川四天王」の存在だ。そのなかでも「戦国最強の武将」と名高い本多忠勝は、第1回目から「こんな奴を主君とは認めない」と言い張る最強ツンキャラとして登場。その彼がいつデレるか? というのがひとつの見どころとなっていたが、今回の家康の覚醒で、一気に「一生お守りします!」モードに近づいたようだ。

SNSでも「デレた? ねえねえ今平八郎(忠勝)くんデレた?」「平八郎の顔がーー!! 恋に落ちた顔してるーーーー!!!!」「家康の口上を聴いた忠勝からキュンって音が聞こえて尊さ爆発した!!」「これはハートに矢が刺さった顔だ。よかったね目の前の彼は君の求めた生涯の主君でございますよ」と、萌えと胸熱が混じったようなコメントが相次いだ。

https://twitter.com/nhk_ieyasu/status/1614593240023326721

また、大樹寺で「どうせ俺たちノーフュチャー」的なことを言い放つ、博識で小生意気な若者が、のちの四天王の一人・榊原康政と明かされる場面では、「あの昼寝小僧榊原かあ~」「榊原小平太(康政)のテロップが入るタイミングが最高過ぎていいわ!」「元康の覚醒を目の当たりにして、感動している段階で『後の榊原康政』と字幕で身バレ。こんなん燃えるやろーー!!」と、粋な演出を称賛する声が。

さらに「スーパー攻め様信長、ツンデレ忠勝、飄々榊原康政、乙女ゲー攻略キャラがまた増えた」「貴女は誰と天下統一する? な乙女ゲー大河だよこれ」と、今回の家康を取り巻く人々のキャラ立ち具合を、乙女ゲーにたとえる声も多かった。ここに四天王最後の1人・井伊直政(板垣李光人)までそろったら、さぞ攻略・・・もとい、天下取りへの見ごたえが増すに違いない。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第3回『三河平定戦』では、織田と今川の板挟みに悩む元康の姿と、母・於大(松嶋菜々子)との再会が描かれる。

文/吉永美和子

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