広井王子「今しか咲かない花を」20歳までの歌劇団を作ったワケ

2023.1.30 20:45

広井王子(中央)と少女歌劇団ミモザーヌのメンバー(左から)みやはらにこ、ちばひなの、さかもとりるは

(写真9枚)

■ 「『自分の花』は17歳を超えると消える」

──つい先日ミモザーヌ初の卒団生(きくたまこと)が出た通り、本当に20歳になったら卒団しなきゃだめなんですね。

卒団しても続けてくれるといいなと思っていて、将来的には帰って来られる場所にしようと企んでる。悩んだら帰ってこい!ここで整えてあげるからって。日本にはそういうアカデミーみたいなのがないからね。

ミモザーヌはある種の培養基なので、卒団してからいろんな演出家やプロデューサーの手に渡ったときに、また違う光を磨いてもらえるよう、しっかりとした下地づくりをして、みなさんにお渡ししたいと思ってるんですよ。

(左から)みやはらにこ、広井王子、ちばひなの、さかもとりるは

──ミモザーヌを作りあげた目的は「下地づくり」、ほかにはなにかありますか?

そうですね、それと世阿弥(室町時代の能役者)が言った「自分の花」。この時代にしか輝かない花があるんだって。そしてそこには、17歳を超えると消えるって書いてあった(笑)。

──ちょっとチクリと刺された気がします(笑)

でもそっから本物の花になるんだって。確かに何も教えてないのに、フッと立っただけで光る子がいるの。それはまさに自分の花で、年相応のその瞬間しかない・・・言い方を変えると神聖っていうのかな。その「尊さ」みたいなものが、ミモザーヌのおもしろさなのかもしれない。

──なるほど、開花の瞬間を楽しめるのがここ、と。

大輪の花になるのは将来。もし「そのミモザーヌを子どもの頃から見てたのよ!」っていう人が出てくれば、それは歌舞伎と一緒だね。歌舞伎も名前が変わっていくじゃない、その都度その都度楽しんでいく。そういう楽しみと同じような楽しみがミモザーヌでも味わえるかもしれない。そうなればいいなと思っています。

毎回のレッスンでは、冒頭部分で「最近あったおもしろいできごと」を話す時間が設けられている
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