広井王子「今しか咲かない花を」20歳までの歌劇団を作ったワケ

2023.1.30 20:45

広井王子(中央)と少女歌劇団ミモザーヌのメンバー(左から)みやはらにこ、ちばひなの、さかもとりるは

(写真9枚)

■ 「劇団四季は改革者だと思う」

──最後に、広井さんが今後目指していくところを教えてくださいますか?

そうですね。僕も来年70歳ですから、次に僕の役割をやるのは誰だ? というのを見つけ始めなきゃいけない。今後20年、30年、もしかしたら宝塚みたいに100年続くかもしれない。するとその度に新しい人が入って、継承して・・・という車輪を作らなきゃいけない。今はその車輪づくりをしているところ。

1月は新規生の募集に加え、「選抜テスト」というその年に活躍する選抜メンバーを決めるテストがおこなわれるという

──広井さんご自身のなかには「ここまではやり遂げて、次に渡したい」というゴールみたいなところはあるんですか?

全然見えてない、どこへいくんだろうって。だからワクワクしてます。誰もやったことがないので、目標点がわからないんです。「一体これどうなるんだ」と思ってますよ。

もしかしたら卒団した子たちが多くなれば、その子たちだけでミュージカルをやれるだろうし、海外から買うことも視野に入れるかもしれない。劇団四季も最初は『キャッツ』をすべて借金で買いましたからね。

──今では各地に劇場を構えるほどになりましたが、手売りでチケットを売っていた時代もありましたよね。

そうそう、団員が手売りしてたね(笑)。でもあのとき「チケットぴあ」がコンピュータープログラムを開発してなかったら、10万枚のチケットは売れないし、あのロングランはできない。

だからそういう意味で劇団四季は改革者だと思う。システムはできたけど、やるものが無いっていう状況もあるし、やるものがあるけど、システムが無いっていうのもあるし、きっとそこがピタッと合う時期がある。あのときはドンピシャで時代が合った。

少女歌劇団ミモザーヌ(過去の舞台写真)

──それが、これからはスマホ一択になってくるんでしょうね。

ミモザーヌ情報は常にスマホに来て、パチンとボタン一発で決済されて、チケットが来て。それが専用劇場ならば、入ってくるなり「広井さんいらっしゃいませ」って向こうが言ってくれて。

もうエンタメの人たちの知恵を全部集めて、お客さんが「なんて楽しいんだ!」っていう劇場を作ってみたいよね。入り口には屋台が入ってて、たこ焼きも売ってて、なかで食べられてさ。「どうぞなかでお食べください」って。そういう小屋作ってみたいね。それが最後の夢かもしれない。

──ぜひ作っていただきたいです。1時間前に行っても手持ち無沙汰にならない劇場。

そうそう、劇場のなかにいるのが楽しいみたいな。1時間前から手品のピエロがいたりとか、子供たちも楽しくてしょうがない。そんなことがやれる劇場が作りたい。

──素敵な夢をお伺いしました。

ぜひ応援してください!

現在、少女歌劇団ミモザーヌは5期生を募集中。募集要項など詳細は公式サイトにて。

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