「信長より不気味」ムロ秀吉、サイコパスな演技にSNS騒然

2023.1.31 07:15

大河ドラマ『どうする家康』で見せるサイコパスな怪演が話題のムロツヨシ

(写真2枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。1月29日放送の第4回「清須でどうする!」では、のちに豊臣秀吉となる木下藤吉郎が初登場し、演じるムロツヨシの怪演にSNSが騒然となった(以下、ネタバレあり)。

■どうする家康、清須に入り織田と同盟

松平元康(徳川家康)らが織田信長(岡田准一)と同盟を結ぶために訪れた清須で彼らを出迎えたのが、周囲から「猿」と呼ばれている下人・木下藤吉郎(ムロツヨシ)。その藤吉郎の行司で信長と相撲を取った元康は、美しく成長した信長の妹・市(北川景子)と再会する。

元康と盟約を結ぶかわりに、ある条件を提示する織田信長(岡田准一)(C)NHK
元康と盟約を結ぶかわりに、ある条件を提示する織田信長(岡田准一)(C)NHK

同盟がまとまり信長が元康に命じたのは、今川家を滅ぼすことと、今川氏真(溝端淳平)の元に置いてきた瀬名(有村架純)に代わって、市を妻にすること。それに不満を覚える元康は、かつて大高城をめぐる戦で織田軍に勝利したことを理由に、対等な関係であることを主張する。

しかしそこで藤吉郎が、大高城は今川義元(野村萬斎)をおびき寄せるために、滅ぼさない程度に攻撃していたこと。そしてそこに元康が入城したおかげで、義元を討つことができたのだと告げ、元康は呆然となる・・・。

■戦国時代に天下統一へと導いた三英傑が集結

家康に加えて、織田信長と豊臣秀吉の「三英傑」のそろいぶみが、早くも実現した第4回。この3人が初めて同じ画角に入ったときには「信長公、秀吉公、家康公が同じ画面にいて豪華」「一挙に三英傑がそろって震えたなぁ」「三英傑が1つの画に収まるよう、いつもよりカメラワークが計算されていますな」という興奮の声が上がった。

なかでも楽しみだったのが、ムロツヨシが演じる秀吉。あるときは人懐こい陽キャ、あるときは冷酷なリーダーと、そのときどきの状況と解釈の違いでかなり幅の広い描かれ方をしてきた人物で、前回秀吉が登場した大河ドラマ『麒麟がくる』では、佐々木蔵之介が「一見お調子者だけど実は狡猾」というクセ強な人物像を作ってきたのが、記憶に新しい。

そんなムロ秀吉は、家康の接待担当ということで、ものすごく明るい太鼓持ち風に初登場。さらに柴田勝家(吉原光夫)に理不尽に蹴り上げられるという、のちのち怖い伏線になりそうなアクションまで付いてきた。

SNSでも「蹴飛ばしてえときに蹴飛ばしてちょうでえ! と尻を向けるあれ、自分を馬鹿にした奴を逐一覚えてるタイプ」「『私めを猿とお呼びください!』っていう自分をどう扱うかによって後々友好度とか協力度合い変わってきそう」と、タダ者ではない予感を瞬時に察した声が多数上がっていた。

■狂気を漂わせる演技に「ムロ秀吉、不気味」

しかしやっぱり視聴者を一番震撼とさせたのは、家康が大高城を落としたのが実力ではなく、信長の策略に乗せられただけということを、嬉々として語るシーン。秘めた切れ者ぶりを示すだけではなく、声のトーンを使い分けることで、フッと狂気を漂わせるなど、ムロの演技力が早速発揮されたシーンだったと言えるだろう。

実際に、「信長の戦のやり方について解説するときのゲスい輝きっぷりがすごい」「物の見方、視座を瞬時に変えて、自分の振る舞い方もコロコロ変える。ああ歴史を翻弄した猿だ、と納得させられた」「あんだけ『俺の白兎ってなんなん怖・・・』って思ってた岡田信長がめちゃ常識人に見えるくらいに、ムロ秀吉不気味で怖ぁ・・・」など、恐怖に打ち震える声が続々と。

とはいえ、「腹黒い」と評価されている人物が、真っ黒に描かれれば描かれるほど、歓迎の声が比例するのが大河ドラマの世界。得意のコメディタッチの演技に振り切りつつも、これから待ち受ける残忍な所業の数々を、笑顔でしれっとやっちゃいそうな怖さをしっかり植え付けたムロ秀吉、今後に期待しかない。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夕方6時からスタート。第5回「瀬名奪還計画」では、元康が本多正信(松山ケンイチ)や服部半蔵(山田孝之)らの手を借りて、瀬名たちの救出を試みる様が描かれる。

文/吉永美和子

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