LINEスタンプも登場、平成ギャル文学「一期一会」が再注目

お泊りセットや靴下などさまざまなグッズが展開されていた「一期一会」(現在は販売されていない)
「Y2K」や「平成レトロ」の流行により、2000年代に一世を風靡したコンテンツが再び注目を浴びつつある。高校生の友情と恋をテーマに、独特なポエムを添えたイラストが特徴的な『一期一会』もそのひとつで、2月10日にLINEスタンプ、20日には「心友(とも)グミ」といったコラボ商品が登場するなど、話題となっている。
全盛期に学生時代を過ごした身からすると懐かしさで胸いっぱいになるニュースだが、この令和の時代にどう受け入れられているのだろうか? 『一期一会』の現在に迫るべく、同作を生み出した、文具やシール、雑貨を開発・販売するメーカー「マインドウェイブ」(本社:大阪市中央区)の商品開発部・吉原喜代美さんに話を聞いた。
■ はじまりは180円の「レターセット」だった
──現在、「マインドウェイブ」では『しばんばん』『ごろごろにゃんすけ』といったキャラクターグッズや手帳などのシール・マスキングテープがメインコンテンツとのことですが、『一期一会』のグッズは、今も発売されているんでしょうか?
今回のようなお菓子やアニメ作品とのコラボ商品など、外部企業から発売されている商品をのぞくと、自社商品は10年ほど発売しておりません。自社商品の発売が無い状況でも世の中の方に覚えていただけているのは、キャラクターが当時からそれだけ愛されていたからだと思います。
私が企画担当になったのは2010年頃ですが、改めて話題に取り上げていただけて本当にありがたいですし、感慨深いものがあります。

──そうなんですね。当時はアニメも放送されるほど人気でしたが、そもそも『一期一会』はなぜ誕生したのでしょうか?
はじまりは、街のファンシーショップで販売されている文房具でした。1番最初に展開したのは、2004年ごろで、枚数が通常よりも少なく130円というコンパクトな価格設定だった「キュートレター」です。当時、ファンシーショップでよく売れるのはシール、レターセット、メモ帳という時代でした。
なかでも、小中学生のお小遣いで買えるキュートレターは特に人気で、その売れ行きを見て商品の展開も判断していました。『一期一会』のキュートレターは大きな反響があり、そこから毎月、新規の絵柄でキュートレターを12種類発売していました。
そこからどんどんコンテンツが成長していき、下敷きやペンケースなど文房具一式が発売され、児童向けの本やショートアニメも放送されるようになりました。
──130円のレターセットから、一大コンテンツへと広がったんですね。
文房具から書籍化・アニメ化するのは、今も昔も特殊かもしれません。今だと、文房具を販売するなら既にあるキャラクターの版権を使うのが主流ですし、自社キャラクターで文房具を開発する会社も一時期に比べると激減しました。
今ではファンシーショップ自体も減り、LINEスタンプをはじめとしたモバイルコンテンツでの展開が増えた印象があります。そのかわり、現代はSNSなどで声がダイレクトに届くので、お客さまの熱量が以前より感じられるようになりましたね。

──逆に、令和の小中学生は『一期一会』をどう捉えているかが気になるところです。
『一期一会』の本が学校の図書室や図書館に置かれているそうで、世代でなくても本で知っている子もいるみたいですね。コロナ禍で学生時代を過ごしている子からすると、「ザ・学校生活」なイラストや定番シーンがかえって新鮮に映るとも聞きました。
また、もっとも商品が流通していた時期は2004~2010年ごろなのですが、現在の大学生から20代にあたる人たちがリアルタイムで文房具を買ってくれていた世代のようで。ツイッター上で、モデルの藤田ニコルさんが言及してくれたり、大学生が運営するメディアから取材があったりと、2022年あたりからまた『一期一会』を思い出してくれる方が増えました。
──『一期一会』の象徴ともいえるポエムは、どなたが考えていたんでしょうか。
ポエム部分は作者のカタノトモコさんが考案していました。ただテレビアニメの放送時には元のポエムだけでは足りず、私とデザイナーさんで考えていたこともありました。普段からポエムを書く習慣もないですし、恥ずかしさや照れもあり、どうしても思いつかなくて・・・。あまりにも出なくて現役の学生さんにアンケートを取ったり、会社中をうろうろして給湯室で悩んだこともありました(笑)。
■ 「学生あるある」は、何年経っても変わらない
──そんな苦労があったんですね。2月10日にはLINEスタンプが発売されましたが、リアルタイムで一期一会を追っていた世代の需要はかなり高そうです。やはり要望が多かったのでしょうか?
最近「平成レトロ」などがきっかけで注目していただける機会が増え、弊社としても驚いています。正直なところ「本当にみなさん、興味があるのかな」などと半信半疑でありつつ、要望をいただき、スタンプの販売を決めました。
日常で使える「ありがとう」「OK」などのスタンプはもちろんですが、せっかくだから『一期一会』らしいスタンプも入れようということになりました。社内で話し合い、学生時代に撮ったプリクラの落書きなどを引っ張り出し、文章を考えました。ぜひ面白おかしく、懐かしみながら使ってもらえたらうれしいです!

──最後に『一期一会』に携わってきた吉原さんが感じる『一期一会』らしさを教えてください。
「アタシ、アンタ、心友、絆」といった『一期一会』らしいワードはもちろんですが、やっぱり何年経ってもかわらない「学生あるある」でしょうか。『一期一会』がはじまり20年近くが経ちますが、今の学生に聞いても「学生生活といえば」というシーンは大きく変わらないなと感じます。
◇
かつてのように、街のファンシーショップにグッズが並ぶ機会は減ったが、誕生から20年近く経った今、再び注目を集めている『一期一会』。「平成レトロ」として当時の学生たちだけでなく、現代の学生たちにも愛されるコンテンツとして復活しつつあるようだ。
取材・文・写真/つちだしろ
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