「農業と芝居」を繋げた男、チームナックス・森崎博之の挑戦

2023.2.18 08:45

『AGRIman SHOW』を手がける演劇ユニットTEAM NACSのメンバー・森崎博之

(写真7枚)

■ 「農業って楽しくて、カッコよくて、しかも稼げる(笑)」

──その話を聞いてるだけで、なんだか胸にジワっと来ますね。

1人で泣かせたいですね、お客さんを(笑)。ギュッと心をつかまえて、お涙をいただこうと思っています。でも一人芝居だけだと飽きちゃうから、合間に料理ショーとかマジックショーをやります。ラスベガスで活躍するプロの方に短期弟子入りして、野菜を使った本格的なイリュージョンを教えてもらっているところです。

ただのエンタメショーでは終わらない予感のする『AGRIman SHOW』、大阪公演は3月11日・12日

──短期でできるものなんですか?

・・・熱意があれば(笑)。とにかくいろんなものを散りばめたので、お客さんが笑ったり泣いたりビックリしたりと、感情のテーマパークみたいなことが、1人でやれたらいいなぁと思ってます。あと演劇って、お客さまの想像力で、どんな風景でも描けるじゃないですか? たとえばテレビだと、牛を一度に見せられるのってせいぜい100頭ぐらいですけど、演劇だったらやり方次第で、牛1万頭がいる風景を描くことができる。

──「1万頭の牛がいる!」って言葉だけでも、演技と説得力さえあれば納得させられる。それこそ演劇ならではのイリュージョンですよね。

そうなんです。そうやって演劇のおもしろいところをギュッと濃縮させて、農業と掛け算させる。まさに農業×演劇な舞台なんです・・・て言われて「それは観てみたいなぁ」と思います?

街なかでもあろうと、快く野菜を持って撮影に挑む森崎博之

──私ごとですが、父の実家が農家でして。農業って確かに大変そうだけど、ゲーム的な楽しさもあるみたいな話も聞いているので、おもしろい題材じゃないかと思ってます。

そう、農業ってとにかく「大変」ってイメージが植え付けられてるじゃないですか? それを払拭したい。だって日本の食料自給率って、ずっと38%ぐらいで下げ止まりしてるんですよ。つまり外国の物が入ってこなくなったら、日本は飢餓状態になってしまう。だから「農業をやりたい」という子どもを増やすのが、今は非常に大事なことだと思っています。農業を守るというのは、国を守ることなんです。

──そのためにはやっぱり「農業、楽しいよ!」ってことを、ちゃんと伝えないとダメですよね。

ですよ! 農業って楽しくて、カッコよくて、しかも稼げるんだって(笑)。『あぐり王国』を始めた頃って、テレビで出てくる農業の話題といったら、狂牛病だとか、鳥インフルだとか、野菜が採れすぎて値段がつかないとか、暗いニュースばっかりだったんです。もっと「今年のキャベツは甘いですよ!」というような話題をすればいいのにって。僕はみんなが喜べるような農業の話題を提供していきたいし、取材に行くたびに楽しくて「うわああぁぁー!」ってはしゃいでいます(笑)。

『AGRIman SHOW』

会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(大阪府大阪市中央区大阪城3-6)
期間:3月11日(土)・12日(日)
料金:6800円

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