【罠の戦争】鷲津(草彅剛)の選挙演説、ネットでは共感の嵐

2023.2.15 12:30

これまで仕えてきた犬飼孝介議員(本田博太郎)の地盤を継いで出馬を決めた鷲津亨(草彅剛)

(写真4枚)

政界を舞台に議員秘書・鷲津亨の壮絶な復讐劇が描かれる、草彅剛主演のドラマ『罠の戦争』(月曜夜10時〜/カンテレ)。その第5話が2月13日に放送された。

本作は、議員秘書の鷲津亨(草彅)が息子を歩道橋から突き落とした犯人隠蔽の真相を探るべく、政界の権力者たちに罠を仕掛けてゆく復讐エンタテイメントだが、毎回注目したいのが物語の随所に散りばめられた「永田町あるある」だ。

第4話でも、鷲津の選挙出馬を後押しする幹事長・鶴巻憲一(岸辺一徳)が、選挙資金がないという鷲津に「なければあるところから引っ張ってくればいい。金とはそういうものだよ」と言い放つ印象的なシーンがあったが、第5話でも総選挙にまつわるさまざまな「永田町あるある」が登場。

鷲津が鰐淵益男(六平直政)の知人から無利子で借りた2000万円の選挙資金について、その一部を地元県会議員に手渡すという話に、秘書見習いの蛯沢眞人(杉野遥亮)が「買収!?」と反応。鷲津と鰐淵が「政党の活動費として支部に提供するんだよ、まあ、名目だがな」「合法だから安心しろ」と淡々と受け流すシーンに、なるほど、これが「クリーンな選挙」なのだと感心。友人に牛丼を奢った蛯沢くんが、選挙違反になると叱られて慌てて代金を回収にいくエピソードとの対比も、皮肉が効いている。

鷲津亨(草彅剛)の秘書・貝沼永太(坂口涼太郎)が地元議員と接触すると、すぐさま警察の手が・・・。

総理・竜崎始(高橋克典)による選挙妨害として描かれる、鷲津に関するスキャンダル記事(息子の虐待、事務所のブラック体制、などなど)も、確かに選挙期間って謎のスクープが出るよな~と納得。政治問題に限らず、情報操作が当たり前の時代。目にした情報をそのまま鵜呑みにせず、そこに仕掛けられた「罠」を読み解くことは、すべての人に必要なサバイブ術なのだ。

第5話の後半、事務所に潜んでいたスパイによって、「実弾」の受け渡し現場を警察に摘発されそうになった鷲津は、知らず知らずのうちに「永田町の常識」に毒されていた自分に気づき「選挙の定石」を捨てることを決意。街頭演説で「息子に誇れる大人になりたい」と心の内を絞り出すように、自分の言葉で観衆に語りかける。心の内を絞り出すように話す。

おそらく現実の選挙は、こんな演説ぐらいでは勝てるほど甘くはないのだろう。だからこそ、このシーンの草なぎの演技は胸に迫るものがあり、SNSでも「渾身の演技!」「草彅剛の演技がものすごく力強くて良かった!」「鷲津の演説心の叫びこちらに響き渡りました」「こんな政治家がいてくれたら・・・」といった声が上がった。

敵に回したくない不穏な存在感を見せる、幹事長・鶴巻憲一(岸辺一徳)

ラストでは、犯人隠蔽の指示者が総理ではなく、幹事長であることが発覚。真に復讐すべきラスボスは幹事長なのか? それとも他の誰かが幹事長に隠蔽を依頼したのか?  

文/井口啓子

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本