桂春蝶&吉弥に訊く「落語会の楽しみ方」男の着物姿…と、睡眠?

2023.3.6 18:15

左から落語家の桂春蝶、桂吉弥

(写真7枚)

■ 「意外と着物にこだわっていること」(春蝶)

——『三人噺』も、落語ファンのすそ野を広げるという点では、それこそ落語は知らないけど演者のお名前は知っているという方にも来てもらえたらいいなと思うのですが、初めての方はどのように楽しんでもらったらよいでしょう。

自らの羽織を見せてくれた桂春蝶、なかには「蝶」の絵柄が描かれている

吉弥「それはね、『笑点』のメンバーに決まった一之輔を見に来ていただきたい! 僕ら、ガッツポーズしましたから『よく選ばれた!』『一之輔を入れといてよかった~』って(笑)。あと、今、中之島公園は整備されていて、散歩するのもいい季節やし、『大阪市中央公会堂』もきれいやし、ちょっと行こうかみたいな、それぐらいの感覚でいいと思います」

春蝶「意外と男も着物にこだわっているということにも気づいてほしいですね。たとえばね、羽織って、マクラから落語に入るときに脱ぐでしょう。そのときに一瞬、羽織の裏が見えるんですよ。僕は羽織の裏は全部、蝶々の柄にしていて。今、着ている着物も、実は市松模様で、同一色を当ててコントラストが出るように。あと、『花菱』という紋も刺繍で入れています。男の人も着物にこだわってんねやと、そういうところも見てほしいです」

吉弥「お金かけてはるわ~。そんなん、春蝶くんが脱いだら、俺もやらなあかんやん。(と言いながら羽織を脱ぎ)、僕は羽織の裏は『一期一会』と書いてあります。これはお茶の言葉であったり、米朝師匠が言っていた言葉ですが、字はうちのおかんが書いた字です」

桂吉弥の羽織のなかには「一期一会」の文字が刻まれている

春蝶「なかなか羽織の裏は見えないですけど、そういう一瞬もよく見ていただきたいですね。あと、師匠(三代目桂春団治)からよく言われたのが、うどんを食べるネタやったら、帰りにうどんを食べたいと思ってもらうことがいいと。僕らはエアーで食べる真似をしているけど、お客さんには、落語会の帰り道にうどんとか、おまんじゅうを食べたいなと、『あれ買おうか』みたいな、そういう感覚になってもらうのもいいかなと思います」

——改めて『三人噺』への意気込みをお願いします。

吉弥「本当、落語はおもろいもんやし、楽しいものなので、特に『堅苦しいんとちゃうか』と食わず嫌いの人にとっては『三人噺』は落語の入り口にすごく適している良い会だと思います。東西の落語を聞けるし。本当、来てほしいなと思います」

落語会『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺 2023』は夜公演が即完売で、昼公演が急遽追加された

春蝶「老若男女、どなたでも来てもらいたいです。世代問わず、理不尽だと思いながらも妥協をしてきた人にとっては、落語がドーン!と救ってくれます。それがあなたの供養になる(笑)。まあ、若い人はただただ笑ってくれたらいいなと思います。4、50代ぐらいの方には笑いプラス、「この状況でも笑えるんや、笑ってええねや」と思ってもらえたら。そう思ってもらえるために一生懸命、落語をやっている同世代がいることを知ってほしいなと思います」

落語会『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺 2023』は4月28日に「大阪市中央公会堂」(大阪市北区)にて。夜公演は完売で、昼公演の追加が決定。チケットは指定席5500円ほか、最新のチケット情報は公式サイトにて。

取材・文/岩本 写真/木村華子

『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺』

会場:大阪市中央公会堂 大集会室(大阪府大阪市北区中之島1-1-27大阪市中央公会堂 B1F)
日時:4月28日(金)昼公演13時45分※追加公演/夜公演18時※ソールドアウト
料金:指定席5500円、特典付き指定席6500円

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