俳優・寛一郎、「自分に余白を作る」ためにやっていることとは?

2023.3.6 20:45

舞台『カスパー』で主演を務める俳優の寛一郎(2日・大阪市内)

(写真3枚)

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』や、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』など、数々の話題作に出演している俳優・寛一郎。俳優・佐藤浩市の息子としても知られているが、初主演舞台『カスパー』の会見では、その親子の会話や意外な息抜き方法などを披露。彼の素顔が垣間見えた。

■ 「あまり舞台をやらない家系」

16歳まで監禁されて育ち、ひとつの文章しか話せなかった青年が、言葉を教え込まれることで変化していく姿を描く『カスパー』。父の佐藤浩市は舞台に出ないことで有名なのだが、その父親は息子への舞台出演にどう反応したのか?

「『お前、舞台に出んのか? 本当かよ?』『ああ、やるよ』で終わり(笑)」と、報告したときのことを語り、さらに「(祖父の)三國連太郎は1回だけで、父は1回も(舞台を)やってないので、あまり舞台をやらない家系だと、僕ら家族も思っていました。だからちょっと、ザワッとした感じはありましたね」と、俳優一家ならではの事情を明かした。

舞台『カスパー』で主演を務める俳優の寛一郎(2日・大阪市内)

父親も体験したことがない、演劇の創作の現場は「(演出の)ウィル・タケットさんが新しいものをどんどん取り入れて、みんなで作り上げていく作業がおもしろいし、いい雰囲気で進んでます」と語りつつも、一方で「自分らしさ」が失われた部分があるとも。

■ 「どうしても台本以外のことを考えたくなったときは・・・」

「10時半に稽古が始まって、18時頃には終わるという毎日で。僕は本当に夜型で、深夜の1時ぐらいから頭が冴えはじめるので、最初は『この生活キツイな』って思いました」と苦笑し、さらに「でも今は順応してきて、1時ぐらいには眠くなってくる。だから自分の個性が、ひとつ消されてしまったという気分です(笑)。たぶん僕、なにかをカチッと決められるのは、あまり得意じゃないんだろうなあと思います」と、ほのかに複雑な心境をのぞかせた。

舞台『カスパー』で主演を務める俳優の寛一郎(2日・大阪市内)

演劇をはじめると、長期間の舞台に耐えられる体づくりをおこなうという人が多いが、寛一郎は「運動は疲れちゃうので、その時間があったら寝たい(笑)」という大物ぶりを披露。その代わり、心を整えるために外せない習慣があるそうだ。

「どうしても台本以外のことを考えたくなったときは、サウナに行きます。サウナに入ってる間は、熱くてなにも考えられなくなるし、水風呂で整ったらボーっとするので、そこで自分に余白を作ることができるんです。だから今は、台本を覚えてサウナに行って、台本を覚えて寝て、稽古に行く・・・という、カスパーのような(規則的な)生活をしています」と明かしてくれた。

『カスパー』は寛一郎以外に、首藤康之、下総源太朗などが出演。3月の東京公演を経て、大阪公演は4月9日に「松下IMPホール」(大阪市中央区)にて。チケットは9800円で、現在発売中。

取材・文/吉永美和子

舞台『カスパー』

会場:松下IMPホール(大阪府大阪市中央区城見1-3-7)
期間:4月9日(日)
料金:9800円

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