東野幸治が輝く「マルコポロリ」、お約束を拒否した番組作り

2023.3.19 07:15

毎週日曜の昼1時59分から放送されているバラエティ番組『マルコポロリ!』(カンテレ)

(写真4枚)

■ 『お笑い向上委員会』は総合格闘技、『マルコポロリ!』は地下格闘技?

──コンプライアンスが厳しいこのご時世に、けっこうギリギリのところを攻めてますよね。関西以外の視聴者による「この番組は狂ってる。関東で流せるわけがない」というような感想もツイッターで散見されました。

関西弁ってキツく聞こえるんでしょうね。そのうえみなさん真剣勝負で「闘い」をやっていらっしゃるので。

──パンサー・向井さんが「『さんまのお笑い向上委員会』は総合格闘技。『マルコポロリ!』は地下格闘技」と発言されていたとか。

ありがたいですね。そういう、「『マルコポロリ!』にしかない緊張感」ゆえなのか、収録中は絶え間なくおもしろいんです。「これ、編集せずに流してもぜんぜんおもしろいんじゃないか?」と毎回思ってます。

──「東野幸治 被害者の会」での、品川さんの「死ぬまでイジってよ。俺の墓にしょんべんしてくれ」と、ぼる塾・あんりさんの「記憶がない。ただ収録終わりに体が熱かった」などは、「地下格闘技」の緊張感の中でなければ出てこなかったキラー・フレーズだと思います。

===========
「東野幸治 被害者の会」
2021年4月25日放送。当番組の内外で東野幸治にイジられ続けたメッセンジャー・黒田、品川庄司・品川、ぼる塾がゲスト出演。体が東野のイジりを欲するように「調教」された品川と、東野からの偏愛を一手に受けるあんりによる「魂の叫び」が響き渡った。好評につき別ゲストによる続編が2022年にも放送された。
===========

東野さんももちろんプロなので、本当に言ってはいけないことは当然おっしゃらない。ちゃんと放送に耐えうるところを攻めていただいてるとは思うんです。番組としては、皆さんに損がかからない範囲で演者さんの感覚を大事にして、ギリギリを攻めていくというスタンスですね。

■ 高齢化バラエティ『マルコポロリ!』の未来は・・・

──番組としてのこれからの展望を聞かせてください。

先日、「フワちゃんと仲間たち」(※2月26日放送)収録時の感想をフワちゃんがラジオで語られていたのですが、「なんでマルコポロリはパネラーが全員おじさんなんだ!」と言われて、ハッとしたんです。たしかに、ほかのバラエティ番組って若手で勢いのある芸人さんだったり、若い女性のタレントさんがいらっしゃいますよね。でも『マルコポロリ!』は全員おじさん世代です(笑)。

──計算してみたところ、現在のレギュラー陣の平均年齢は47.7歳でした。

ニッポンの社長さんがだいぶ平均年齢を下げてはいますが、アラフィフ、アラ還の芸人さんがレギュラーで6人も座ってるというのは、「何の意味があるんだ?」と思われる方がいるかもしれませんが、実はそこが強みですよね。東野さんが以前、この番組を「高齢化バラエティ」と言っておられましたけど(笑)。

──この番組がすごいのは、レギュラーのみなさんが歳を重ねれば重ねるほど、ますますおもしろくなっていきそうなところですよね。

みなさんそれぞれに「色」や「味」があるので、それぞれのものを出してほしいと思っています。積み重ねてきたものがおもしろい方たちなので。何度もご出演いただき、『マルコポロリ!』で激推ししている三浦マイルドさんも、ここからもっと輝いてほしいです。

──『マルコポロリ!』の「コアターゲット」は、どういった層なんでしょうか?

普通、「コアターゲット」を意識するときって、なるべく若年層の視聴者を取り込もうとするんですね。だから「高齢化バラエティ」であるこの番組は、本来のやり方からはズレてるんですよ。でも、これが『マルコポロリ!』のコア戦略なんだと思います。

──なるほど。年齢や性別などの属性による識別ではなくて、「芯からの笑いを欲する人」がコアであると。今後の目標は?

「ブレずに、終わるまで走り続けること」です。東野さんやほんこんさんが「もう引退や」って言うまで、この「色」でやり続けるのが目標です。せっかく関西以外の方にも見ていただけるようになったので、このままのおもしろさでいけたらな、と思っています。

取材・文/佐野華英

カンテレ『マルコポロリ!』

放送:毎週日曜13:59〜

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本