家康が覚醒し三河一向一揆をクリア、じいのアシストにも称賛【どうする家康】

2023.3.6 20:30

家臣として家康を諭す鳥居忠吉(イッセー尾形)(C)NHK

(写真2枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。第9回『守るべきもの』では、家臣への不信感から引きこもってしまった家康が、究極の選択の末に「三河一向一揆」を平定するまでが描かれた(以下、ネタバレあり)。

■どうする家康、お前たちを信じる!

本多正信(松山ケンイチ)などの家臣たちが一揆方につき、味方の家臣たちもいつ裏切るかわからない恐怖から、すっかり引きこもってしまった家康。そこで鳥居忠吉(イッセー尾形)が、無理やり家康の寝所に押しかけ、裏切られるのを覚悟しつつも家臣たちを信じるか、謀反の疑いのある者はことごとく殺すか、道は2つに1つだ・・・と説く。

久々に具足を付けて家臣たちの前に現れた家康は「わしはお前たちを信じる!」と宣言し、彼らを鼓舞。便乗して家康に反旗を翻していた武将たちを、次々に制圧した。また一揆勢を率いる本證寺の住職・空誓(市川右團次)も、先の見えない戦に疲弊を感じ、家康の叔父・水野信元(寺島進)のとり成しで、和睦を結ぶことになった。

自分が守るべきものは民と家臣ということに気づき、過去の過ちを悔いる家康は、「けがれたこの世を浄土にする」という意味の「厭離穢土欣求浄土」という、新たな御旗を掲げる。その頃、甲斐の武田信玄(阿部寛)の元には、本證寺で一揆を扇動した望月千代(古川琴音)が現れ、家康を「肝が小さいお方ですが、そのことを己自身が、誰よりもよく分かっておられる」と評するのだった・・・。

大河ドラマ『どうする家康』第9回のワンシーン (C)NHK
大河ドラマ『どうする家康』第9回のワンシーン (C)NHK

■和平に向けて、じい絶好のアシストに称賛

まだ20代前半の家康の、人生最初の試練として、計3回に渡ってじっくりと描かれた「三河一向一揆」が、ようやく終結した第9回。家康や空誓だけでなく、戦国時代のリアルを「もう勘弁してください」というほど見せつけられた視聴者にとっても、待望の和平だっただろう。

SNSでも「勝敗を分けたのが、多くの人を惹きつけるカリスマ的な魅力じゃなくて、大将としての不屈の精神力って落とし所は好き」「宗教と政治を丁寧に描いたことが凄い」「失うものは多かったが、三河統一に近づいた家康、成長過程のまだ23歳」などの感想が並んだ。

ただ、家康復活の起爆剤となったのが「字幕がないと何を言ってるかわからない」と、ある意味視聴者泣かせな存在の「じい」こと鳥居忠吉だったのは、なかなかの想定外だった。演じるイッセー尾形の人間味によって中和されていたけど、「殺すか殺されるか。殺すんなら自分から殺して」という、よく考えると物騒かつ究極の選択。しかし第2回のときのように、追い詰められるととんでもない覚醒をとげる家康には、実に効果的だった。

SNSでも、じいの絶好のアシストぶりに「じい、ナイスーーー!!!!!!」「家臣を殺せるような人間じゃないと分かっていて、信じるか殺すかの2択を出したじい、殿のことめちゃんこ信頼してるじゃん」「今回のイッセーのじ様カッコイイじゃんズルイじゃん」など、称賛の声が上がっていた。

また「疑わしい者は殺せ」の方を選択する道を、前回の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で嫌というほど観てきた視聴者からは「鎌倉ルート回避」「謀反人を片っ端から殺すこと。それは前作どうなった? 主人公が闇堕ちしたじゃないか」「鳥居忠吉爺さん、そのやり方で去年さんざん殺り尽くしましたよ、もうしばらく見たくないんですよ」などのコメントが並び、久々に『鎌倉殿の13人』もトレンドに上がっていた。

■千代の正体判明、今後のくノ一バトルも期待

そして一向宗の人々が蜂起するよう仕向けたり、松平昌久(角田晃広)に接近したりと、行動がいちいち怪しかった千代。この名前から、武田信玄のもとで諜報活動をしていたという説があり、戦国を舞台にしたゲームにもたびたび登場する、歩き巫女・望月千代女を連想した人が多かったが、今回でその予想がドンピシャだったと判明。

SNSでは「わー! 千代ちゃん! 武田の方でしたか!!」「ニンジャ大好き大河ドラマのこの番組のことだから、今後絶対にあるじゃん! 女大鼠(松本まりか)vs望月千代の忍術対決!」など、予想的中の喜びと、今後のくノ一バトルを期待する声が多数上がっていた。

そして千代が家康を「気弱だけどそれをちゃんと自覚してるおもしれー男」認定したことに対しても「この言葉に家康公が詰まっている」「千代の観察力凄いな本当何もんや」「信長のように自分に自信を持っている奴は怖いが、自分の弱さを知っている奴こそ厄介だというのは、信玄なら感じるだろうな」など、納得のコメントが並んでいた。

まさに「雨降って地固まる」のことわざのように、この大きな「どうする?」を経て、ようやくまとまった三河家臣団。ここからが本当の「戦国武将・徳川家康」のスタートラインだ。ちなみに今回で改めて、その味わい深い演技力で視聴者を惹きつけたイッセー尾形は、来月大阪で一人芝居の公演&ワークショップを行うので、そちらもぜひともチェックしてほしい。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第10回『側室をどうする!』では、母・於大(松嶋菜々子)からの要望で、家康が側室を迎えようとするところが描かれていく。

文/吉永美和子

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