出演オファーが絶えない俳優・東出昌大「誠実に役に向き合いたい」
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映画『Winny』で不世出の天才プログラマー・金子勇さんを演じた東出昌大
一連の騒動を経た今もなお、途切れることなく映画出演作が控えている俳優・東出昌大。今回、映画『Winny』で東出が演じたのは、ファイル共有ソフト「Winny」を開発し、著作権法違反幇助の容疑で逮捕された天才プログラマー・金子勇さん(2013年逝去)。京都府警が敵視しなければ、日本はIT分野で世界のトップにいた可能性がある。
当時、テレビや週刊誌などのメディアは、この不世出の天才に対して偏った報道で叩きまくった。東出は金子さんを演じるにあたり、体重を18kg増量。金子さんの真実の姿、そして、7年におよぶ権力との戦い(いわゆるWinny事件)を、渾身かつ丁寧な演技で光を当てた。
写真/本郷淳三
「金子イズムが僕に入った」(東出)
──今回の映画で浮き彫りになったのは、金子勇さんという天才プログラマーが、当時のメディアの報道にあったような犯罪者ではなく、むしろ純粋すぎたために国家権力に潰されてしまった姿が描かれています。
僕も金子さんを存じ上げなかったんです。最初、「著作権法違反幇助」という罪状を見たときに、どちらかというと懐疑的なイメージを抱いてしまって。でも、調べていくうちに、当時の金子さんを知る方々は口を揃えて、「純粋無垢なプログラミング愛をもった少年のような人だった」と。みなさん、嬉々として金子さんを語られるんですね。
今回、映画を撮るにあたって、金子さんのお姉さまにお会いしたとき、「出る杭が打たれない文化になって欲しい」と、このWinny事件のことを思い返されながらおっしゃっていました。
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──当時、金子さんが開発した技術は、あまりにも革新的で、いわば未知なるモノ。それがいわば「出る杭」と警察やメディアから見られて、排除への動きにつながりました。まさに、反逆者みたいな扱いだった覚えがあります。
かなり偏った報道だったみたいですね。
──この映画はその歪んだイメージを180度変えてくれます。金子さんは貴重な7年を裁判に費やさざるを得ず、しかも最高裁の無罪判決後、わずか1年半後に急性心筋梗塞のため亡くなられます。日本のIT界にとって大きな損失だったのは間違いないですが、残されたご家族にとって名誉を回復したのは大きな意味がありますね。
この試写をご覧になったお姉さまとお会いしたときも泣いてらっしゃいました。「本当に良かった」と。撮影現場にもたびたび来てくださったんですが、裁判のシーンでも涙されていて。僕も撮影後、金子さんのお墓に「やりきりました」とご報告に上がりました。
──東出さんもよくメディアに取り上げられますが、その東出さんが金子さんを演じるなかで、なにか感じたことはありましたか?
金子さんと僕は立場も大きく違うので、その報道のされ方に共感性というのはないのですが、この映画の最後に「誰かを悪者にするのではなく、前を向いて」という金子さんの発言があるんですね。僕はそれを散々、繰り返し、繰り返し見て、金子さんになろうとしました。
あと、誰かに対して、本当はこうなんだって主張するのではなく、あらゆることにおいて恨み言ではなく、建設的な人間関係を築いていきたいと思ったのは、そんな金子イズムが僕に入ったからだと思います。
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──最高裁で無罪となったとき、無罪を勝ち取ったことよりも、これで研究者が伸び伸び開発に取り組めると喜んだ金子さん。あの精神ってすごいなって思って。
でも、壇俊光先生(金子さんの弁護士)にはいろいろあったとお聞きしたんです。一審が終わって、2人で恵比寿の居酒屋で飲んだとき、「罰金を払って、研究者に戻りたい」って金子さんが言ったんです。
壇先生はそのとき、「後の世の研究者のために、まだ戦いましょう!」と。そしたら金子さん、「壇さんは、僕にパソコンを触らせたくないんですか・・・」って。1回だけ、寂しそうにつぶやいたと。壇先生は、この7年におよぶ戦いが、金子さんの人生において良かったのかどうか。今でもお考えになるって。
──役づくりにおいてそういった側面がいろいろ見えてくると、単純に話がおもしろいだけでは演じられない部分が出てきますね。
そうですね。金子さんを知る人は、「かわいい人だった」「いい人だった」「少年のようだった」って言うんですけど、映画っていうのは金子さんがひとりで家にいるとき、誰にも見せたことない表情を見せられるので、そこが非常に人間的だし、そういうシーンがあって良かったなと思いました。
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