うたた寝する人が続出…新感覚の「ゴッホ展」が神戸上陸

2023.3.18 09:00

40台の高精細のプロジェクターにより色鮮やかに再現された代表作『ヒマワリ』

(写真9枚)

世界で850万人以上を動員し、音楽とともに大スクリーンで19世紀を代表する画家・フィンセント・ファン・ゴッホの作品が楽しめる没入型展覧会『ゴッホ・アライブ』が、3月18日から「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)でスタートした。

会場をぐるりと囲む複数のスクリーンは高さ最大7メートルあり、間近で見るとゴッホのリアルな筆づかいも分かる、ダイナミックさが魅力の同展。壁や床一面には、輝かしい時代を象徴する『ヒマワリ』、療養院での不安定さが感じられる『星月夜』など、ゴッホの代表作品が次々と映し出され、約40分間に渡り、色鮮やかに再現された3000枚以上の作品が楽しめる。

また、映画館品質のサラウンド音響によるクラシック音楽がシアターのような世界観を盛り上げ、作品を五感で感じることができるのも特長だ。

展示は故郷のオランダ、パリ、アルル、サン=レミなど、代表作の自画像を交えながら、各時代での作風と心境の変化の過程を5つに分けて紹介。浮世絵師・歌川広重作品を複写した『花咲く梅の木』など日本にちなんだ作品が映される際には、日本の民謡『さくら さくら』が流れる趣向も。

さらに、1枚の作品でもスクリーンごとに画角が異なり、例えば『夜のカフェテラス』は、彼が幸福を表す色としていた黄色の光に包まれる人々と、暗い青色の夜空が対照的で、自分の目線次第で多面的に鑑賞できそうだ。そして、彼が自殺を図る前の最後の作品の1つ『カラスの飛ぶ麦畑』の演出にはあっと驚く仕掛けが施されているので注目を。

ほのかにアロマの香りも漂う幻想的な会場では、通常の名画鑑賞とは異なる「リラックス空間」を意識したそう。そのため、同展日本初上陸となった名古屋会場では、設置していたソファに寝転びうたた寝する人が続出したとか。神戸会場では小型チェアやベンチが用意されている。

スマホのAR機能で、専用コードを読み込むと「ゴッホさん」キャラが現れるひまわり畑の部屋

会場内はすべて写真・動画の撮影が可能で、スマホのAR機能で公式キャラクター「ゴッホさん」が現れるひまわり畑、作品そっくりにアルルの寝室を再現したフォトスポットなど、映え要素もたっぷりだ。「兵庫県立美術館」3階ギャラリーにて、6月4日まで開催。入場料は一般2500円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

『ゴッホ・アライブ』

期間:2023年3月18日(土)~6月4日(日)
※月曜休館
時間:10:00~18:00 ※最終入場は閉館の60分前まで
会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリー (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
料金:一般2500円、高校・大学生2000円、小・中学生1500円

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本