中村芝翫&歌之助、親子で連獅子を披露「中村屋のお家芸です」

2023.3.28 20:30
(写真3枚)

「センテニアル・パーク 京都競馬場」(京都市伏見区)のグランドオープンを記念して、「京都南座」(京都市東山区)で3月28日、歌舞伎役者の中村芝翫、中村歌之助親子による特別舞踏が披露された。

開設100周年事業の一環として2020年11月より整備工事を進めていた「京都競馬場」。「パドック」をより見やすくしたほか、競走馬にとっての家である「厩舎」や馬場といった施設全体の整備が完了し、4月22日にグランドオープンを迎える。

その記念イベントの会場に選ばれたのは、日本最古の劇場ともいわれ約400年の歴史を持つ「京都南座」。どちらも長い歴史を紡いできた場所ということで、今回のコラボが実現した。

この日の演目は、舞踏「連獅子」。「親獅子は子獅子を谷の下に突き落として登ってきた子だけを育てる」という「獅子の子落とし伝説」をテーマにしており、親子の情愛や絆が溢れ出る迫力のある名作だ。

厳かな出囃子で登場した中村親子は、赤と白の「手獅子」を前後左右に大きく揺らし、2頭の獅子をダイナミックに表現。谷底に子獅子を突き落とす様子などを叙情的に演じていた。

8代目芝翫を襲名する際も親子で演じたという「連獅子」。父・芝翫は、「この演目は、中村屋のお家芸と言っても過言ではない演目。僕自身にとっても大事なお役です。最初に演じたときは、歌之助はまだ中学3年生でよたよたしていたが、今日見たら身体がしっかりしていて、僕のほうが谷底におっこちそう(笑)」とユーモアを交え振りかえっていた。

また、芝翫の三男・歌之助は「僕も節目節目でチャンスをいただいているお役。大学に入って父と別の場所で歌舞伎を披露することが多くなったが、連獅子は父と一緒になるタイミングが多い。僕にとって連獅子は、父に成長段階を見てもらえるし、緊張感のある演目の1つです」と演目への思いを語った。

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