名優の家系に生まれた寛一郎、なぜ「向いていない」と言うのか

2023.4.1 19:00

舞台『カスパー』で、初舞台にして初主演をつとめる俳優・寛一郎

(写真7枚)

■ 「お父さんに、個として認められるように」

──そうやって、初めて演劇の稽古を経験したことで、俳優としての自分の強みとか、弱みが見えたりはしましたか?

「向いてないなあ」と思いました(笑)。

インタビュー中、時折笑顔も見せる寛一郎

──ちょっと耳を疑う言葉が出てきましたが。

そう言ったら「そんなわけないでしょ」って言われるんですけど、そもそも俳優に向いてないと思ってるんです。でもおもしろさも感じちゃってるな、俺。っていうのもありますけどね。

──ただここまでのコメントもそうですが、物事の洞察の深さとか語彙の豊富さが、20年ぐらい俳優をやってそうな人から出てくるようなものなので、やっぱり私も「そんなわけないでしょ」って思います。

実はですねえ・・・僕のお父さんが役者で(一同笑)。26年間ぐらい付き添っているんですよ、その人に。彼に教鞭を執っていただいたというのもありますし、個として認められるように、勉強をした時期もありました。そのおかげで、物事1つひとつの解像度が高くなってきてるんですが、それが良いときもあれば、悪いときもあります。

──良くないときがあるんですか?

知らなくてよかったことの方が、多かったりするじゃないですか? 『カスパー』では、まさにそのことを1番やるんですけど。知らない方が楽しかったなあ、よかったなあということって、実際はすごく多いと思うんですよね。

──でも向き不向きはともかく、「できてる」とは思いませんか?

できる振りをするのは、役者の醍醐味ですから(笑)。しゃべるのもあまり得意じゃないので、(取材前におこなった)さっきの会見も、最初に堅苦しいことを言ってしまったから「(記者の人が)手を挙げにくいだろうなあ、帰りたいなあ」と思ってました。

舞台『カスパー』

会場:松下IMPホール(大阪府大阪市中央区城見1-3-7)
期間:4月9日(日)
料金:9800円

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