掃除のプロ・ダスキンが、なぜ「ミスド」を運営しているのか?

2023.4.5 07:00

「ミスドミュージアム」内で人気を博す「ミスドキッチン」

(写真12枚)

「ミスドミュージアム」のドーナツ手作り体験が、レアすぎて「予約枠が争奪戦」との噂を聞き、足を運んでみたら・・・その施設は清掃・衛生用品レンタルの「ダスキン」(本社:大阪府吹田市)が手掛ける「ダスキンミュージアム」内にあったことから疑問がわいてきた。

そもそも、清掃・衛生用品のレンタルと販売をおこなう「ダスキン」が、なぜ「ミスタードーナツ」を。ミュージアムを見学しつつ、ダスキンの広報・杦野(すぎの)雪絵さんに聞いた。

■ 創業者が「ドーナツに惚れ込んだ」ことがきっかけ?

2015年にオープンした「ダスキンミュージアム」は、1階は「ミスドミュージアム」、2階は「おそうじ館」で構成されている。そして、この場所はダスキン創業の地だ。

「ダスキンミュージアム」(大阪府吹田市)※提供:ダスキン

「ミスドミュージアム」の最初のコーナーには、アメリカのミスタードーナツ創始者の胸像があり、ダスキン創業者の鈴木清一氏が「こんなにおいしいドーナツをひとりでも多くのお客さまに食べていただき、そしてひとりでも多くの人々に喜んでもらいたい」と考え、事業提携契約書に調印したと紹介されている。

「ミスドミュージアム」の入り口付近に設置されている胸像、同店の歴史を遡ることができる

ドーナツがとてもおいしかったとしても・・・掃除事業からなぜドーナツを販売することになったのか、杦野さんに尋ねた。

■ 1971年から現在に至るまで、その数2000店舗

「モップやマットのレンタル事業はフランチャイズで展開していたので、その勉強のために創業者の鈴木清一が渡米したときに、ミスタードーナツと出合い、このおいしいドーナツを日本のみなさんにも食べていただきたいと考えました。また、日本でダスキンに加盟してくださっているオーナーたちにとっても、新しいビジネスチャンスにもなるのでは? と、当時のダスキンの資本金の約2倍に相当する高額な契約金を支払い、日本でフランチャイズ展開する権利を得る決断をしました」とのこと。

「ダスキンミュージアム」の2階「おそうじ館」には、歴代の商品がズラりと展示されている

そして1971年にミスタードーナツ1号店の箕面ショップがオープン。東京や大阪市内ではなく箕面にオープンした理由は、一等地で成功しても全国に広げられるか検証できないという考えからだったそう。結果は、オープン初日は1時間に約4000個のドーナツを販売したというから、反響に驚く。それから現在までオープンした店舗は約2000店(閉店した店舗を含む)にのぼり、1階の「ミスドミュージアム」ではその軌跡を堪能することができる。

これまでオープンした全店舗の写真がずらりとならんだコーナーも圧巻、思い出のショップを探すこともできる

案外知っているようで知らなかった「ミスタードーナツ」と「ダスキン」の繋がり。創業者のドーナツへの「愛」が結んだもので、その背景を「ダスキンミュージアム」は細かく説明している。同館は、大阪メトロ御堂筋線「江坂駅」から徒歩約10分。ミスタードーナツ江坂芳野町ショップも併設。

取材・文/太田浩子

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