「摂氏1000度の鉄球VS」実験続ける大阪の工場、何のため?

2023.4.14 07:15

「1000度シリーズ」はほかにもスライムやローション、石鹸などでもおこなっている(提供=大阪染織機械)

(写真1枚)

今、ツイッター上で多くのユーザーから注目されている「実験動画」をご存知だろうか。1000℃に燃え盛る鉄球を、竹や氷、せっけん、ローションなどいろんなものの上に置いたらどうなる? という、なんとも好奇心がそそられる不思議な実験の数々。

これらの実験をおこなっているのは、大阪市西淀川区に本社を構える製造会社「大阪染織機械」だ。予測のつかない動画ばかりを次々と投稿している同社だが、何のためにこのような実験をおこなっているのか? そもそも本業は何を作っている会社なのか・・・? 代表取締役社長の山本哲士さんを取材した。

■ 動画の目的、そしてアイデアの源は?

1951年、染織機械を製造する会社として設立された同社。現在は「OSエキスパンダーロール」をはじめとする機械部品の製造や他社部品の修理などを請け負っている。

エキスパンダーロールとは紙や布、フィルムや金属箔などシート状製品を製造・加工する際にできる「しわ」や「たるみ」を取りのぞく部品のこと。水中や液中など、用途に合わせた製作を得意としているそうで、鉄球や氷、ガラス瓶などテーマを問わない実験動画に通ずるものを感じる。

話題の実験動画は、約1年ほど前からTikTok上でスタート。各SNSで発信をおこなっていたところ、今年の3月中旬ごろからツイッター上にアップしていた複数の動画が拡散されはじめた。メディアにも取り上げられ、それまで800人程度だったフォロワーが、わずか1カ月ほどで約2万人にまで急増したという。

実験や動画の撮影・編集は従業員に力を借りつつも、基本的に山本社長自らおこなっている。常に視聴者の目線を意識しユニークな動画となるような編集を心掛けているそうだが、気になるアイデアの源について訊いてみると、「その都度の思いつきで、特に何も考えていないです」と、なんとも意外な答えが返ってきた。

これまで多くの実験動画を投稿してきた同社だが、あくまで本業は機械部品の製作。「会社の名前を覚えてほしい」と、動画は会社を知ってもらうきっかけ作りという側面が強いという。

https://www.youtube.com/watch?v=ct3k_WaqiYc

そのため、数ある動画のなかでも山本さんがおすすめしたいのは、シンプルかつ真面目な内容の「OSMTエキスパンダーロール」の紹介動画なんだとか。実験動画をきっかけに興味を持ったら、山本さん一押しの激シブ動画もチェックしてみたい。

取材・文/つちだ四郎

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