藤原竜也「僕らは演劇人なんだ」、悟ったエピソードを明かす

2023.4.6 21:15

「SkyシアターMBS」の会見に駆けつけた藤原竜也(5日・大阪市内)

(写真6枚)

舞台・映像関わらず、数多くの代表作を持つ俳優・藤原竜也が、2024年3月オープンの「SkyシアターMBS」(大阪市北区)のこけら落としの舞台に立つ。4月5日におこなわれた会見では、本作の出演オファー時にまつわるエピソードや演劇人としての心得など、笑いを交えながら語った。

■ 中村勘九郎の代表作としても知られる『中村仲蔵』

現代よりも家柄がものをいう江戸時代に、梨園とは無縁の血筋から歌舞伎の世界に飛び込み、トップスターになるという快挙を成し遂げた仲蔵。2022年には中村勘九郎が主演・仲蔵役を演じたドラマ『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』(NHK)が作られ、藤原も出演している。

もともと勘九郎と親交が深く、放送後には「勘九郎さんの代表作だと思うし、本人にも『これは素晴らしい。本当に最高だね』と伝えた」という藤原。それゆえに舞台のオファーが来たときに、勘九郎に直接断りを入れたそうだが「『それは面白い。ぜひ僕が、踊りもすべて指導する』と言いだして、僕は『面倒くさいから絶対嫌だ』と応えました」と笑いつつ、当時をふりかえった。

■ 藤原が語る「演劇人の根底にあるもの」

勘九郎とは、三谷幸喜作・演出の3人芝居『ろくでなし啄木』(2011年)で、「シアターBRAVA!」(大阪市中央区/2016年閉館)の舞台に立っている。そのときに勘九郎(当時中村勘太郎)と一緒に、「僕らは演劇人なんだ」と実感する出来事があったそう。

「SkyシアターMBS」のこけら落とし公演『中村仲蔵』で主演をつとめる藤原竜也(5日・大阪市内)

「勘九郎さんとパンを買って、ホテルから楽屋まで一緒に歩いてたら、(劇場から見える)大阪城にヘリコプターが来て、GLAYさんがコンサートのために降り立ったんです。それを見て2人で『うちらはヘリじゃないね』『俺たち、まだまだ遠いね』って」と苦笑しつつ、「でもそれが、我々演劇人の根底にあるもの。コンビニに行っておにぎり買って、楽屋に行って、いい芝居をする。それだけなんですよ」と明かした。

『中村仲蔵』は源孝志脚本、蓬莱竜太演出。そのほかのキャストや公演日などの詳細は、後日発表される。同ホールのオープニングシリーズは『中村仲蔵』以外にも、ミュージカル『カム フロム アウェイ』、落語会(出演者未定)、こまつ座、ヨーロッパ企画などが現在決定している。

取材・文/吉永美和子

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