チームナックス・戸次重幸「赤裸々な人間の欲望が大好き」

2023.4.23 20:00

舞台『幾つの大罪~How many sins are there?~』で作・演出をつとめる戸次重幸

(写真6枚)

■ 「本当の自分を隠しながら生活しているんじゃないか」

──ちなみに同作の主軸では「死刑囚の最期」ですが、前回のソロプロジェクト『MONSTER MATES』(2019年)のときは不老不死に翻弄される男たちの物語でした。戸次さんの作品では人間の根底を表現されている気がします。

そうですね、人間の死生観をテーマにするものは昔からすごく好きで。あと、赤裸々な人間の欲望が大好きなんです。人って一歩外に出ると、どこか違う自分を演じて、本当の自分を隠しながら生活しているんじゃないかと思うんです。だからこそジレンマだったり悲しさを感じてしまうというか。でも、僕はそこをおもしろいと感じて、作品にしたいと思うんです。

「演りたいこと」について、真摯に語る戸次

──そういった人間の秘めたる内面を描くことで、戸次さん自身はスッキリするんですか?

これが微妙なところで(笑)。自分のやりたいことを脚本に書きすぎてしまうのもあまり良くないんです。自分の考えをどこまで出すかっていう微妙なさじ加減・考えが物語の要素になっていくので出しすぎてもダメなんです。100%自分の考えていることを作品にすると、自分の考えていることが周りにバレてしまうので、そうはいかない(笑)。

舞台『幾つの大罪~How many sins are there?~』のワンシーン

──戸次さんのパブリックイメージ(この日のインタビューも充電器の忘れ物に気づくところから始まりましたし・・・)と、作風のギャップがすごいんですよね。

本当の僕はどっちなんだ?ということです。でも、今回の作品に関しては、えぐさも残しつつ、笑えるところもたくさんある作品になっていると思います。

スッキリとした気持ちでは劇場から出られないかもしれないけれど、ガハガハ笑える部分もしっかり作っているので、活気に溢れた大阪のお客さまにも楽しんでもらえると思います。

舞台『幾つの大罪〜How many sins are there?〜』には戸次のほか須賀健太、馬場ふみか、前野朋哉、ゆうたろう、濱尾ノリタカ、黒岩司、波岡一喜らが出演。大阪公演は「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)にて4月28日〜4月30日に上演、のちに札幌も巡回。チケットは8500円(発売中)。

舞台『幾つの大罪~How many sins are there?~』

会場:森ノ宮ピロティホール(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
期間:4月28日(金)〜4月30日(日)
料金:8500円

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