少年隊・錦織一清「自分のことをアイドルと考えたことがない」

2023.4.21 07:00

舞台俳優や演出家として活躍する、少年隊・錦織一清

(写真7枚)

■ 「そもそもアイドルって職業の種類じゃないですから」

──『ザ・ベストテン』で司会をつとめていらっしゃった黒柳徹子さんのトーク番組『徹子の部屋』に出演されたとき、「作家」など「家」が付く職業に憧れがあるとおっしゃっていましたね。今はまさに肩書きが「舞台演出家」ですから、夢を叶えることができたんじゃないですか。

ありがたいことに堂々と「舞台制作をやっています、演出家です」と言えるようになりました。いろんな国へ行くと入国カードがあって、いつも職業欄に「なんて書こう」と迷っていたんです。歌手、タレントとかなんだか書きづらくって。

近年では自身の演出にかける思いやメソッドなどを綴った書籍『錦織一清 演出論』(2022年)も出版

──どれくらいのタイミングから堂々と「舞台演出家」と言えるようになったんですか。

ジャニーズ事務所を退所(2020年12月31日)して以降ですね。組織に属しているときは、やっぱりグループの一員という気持ちが強かったですから。

──逆に「自分はもう肩書き的にアイドルじゃないな」と思ったタイミングってありますか。

いや、そもそも自分のことをアイドルだとか、アイドルではないとか考えたことがないんです。たとえば僕は矢沢永吉さんが大好きなんですが、ファンにとって矢沢さんはアイドル的存在。でもご本人は、自分をアイドルだと考えていないはず。そもそもアイドルって職業の種類じゃないですから。

──なるほど。

アイドルの定義って曖昧ですよね。フォロワーが何人以上とかっていうのもないし。ただ、あくまでこれは僕自身の考え方ですけど、本人が「自分の職業はアイドル」というのはなんだか抵抗があるというか。だから、たとえばバラエティ番組なんかで「元アイドルです」と屈託なく自己紹介する方に会うと、逆に「すごいな」と驚くというか。もちろんそれを否定しているわけではありません。自分は「錦織さんはアイドル時代に・・・」みたいなエピソードトークの振られ方をされたら、戸惑ってしまうタイプなので。

長年背負ってきた「アイドル」の意味合いについて、真摯に語る錦織

──「職業」というわけではないということですね。

アイドルっていうのは、まわりから「アイドルだ」と思ってもらうものだと考えています。「さて、私の職業はなんでしょう」と質問して、「答えはアイドルです」ではないかなって。だからこそ僕はずっと「自分の職業ってなんだろう」と考えていたし、「家」がつく職業に憧れがあったんです。

舞台『垣根の魔女』

会場:大阪松竹座(大阪府大阪市中央区道頓堀1-9-19)
期間:4月21日(金)〜30日(金)
料金:一等席1万2000円、二等席7000円、三等席4000円

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