「なんのラブロマンス?」信長を泣かせた家康にSNSが湧く【どうする家康】

2023.4.17 20:00

言い争う織田信長(岡田准一)と徳川家康(松本潤)(C)NHK

(写真4枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、徳川家康の厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。第14回『金ヶ崎でどうする!』では、信長・秀吉・家康がまとめてピンチとなる「金ヶ崎の戦い」を通して、3人のユニークな関係が浮き彫りになる回となった(以下、ネタバレあり)。

■どうする家康、長政は裏切る?

足利義昭(古田新太)の上洛の命に従わなかったという理由で、越前の大名・朝倉義景討伐に動いた織田信長(岡田准一)。家康たちもその戦に帯同するが、信長の義弟・浅井長政(大貫勇輔)の友軍が合流すれば勝利は確実と、信長やその家臣たちが楽勝気分でいるなか、家康は言いしれぬ不安を抱えていた。

そんななか家臣の石川数正(松重豊)が、「信長がやろうとしているのは、あの将軍を操って天下を我が物にすること。長政がそれを見抜いていたとすれば、織田信長を討つ」と進言。そこで家康は、信長に忠告するも「我が義弟は義の男じゃ。二度と辱めるな」と一蹴され、言い争ううちに「お主を信じられん者もおる! お前の心のうちなど分かるもんか!」と吐き捨ててしまう。

しかし長政は実際に、信長を討つために進軍。そのことを、信長の妹・市(北川景子)の侍女から伝え聞いた家康が撤退するよう再び強く訴え、信長は撤退を決めるのだった。その際、しんがりを命じられた木下藤吉郎(豊臣秀吉/ムロツヨシ)に無理やり協力を求められ、家康は命がけの退却戦に挑むことになり・・・。

■家康LOVEな信長を泣かせてしまう展開にドギマギ

織田信長(岡田准一)にある進言をする徳川家康(松本潤)(C)NHK
織田信長(岡田准一)にある進言をする徳川家康(松本潤)(C)NHK

この第14回で『どうする家康』は新しい章に突入する、と番組予告では言われていた。それは「一国の主」に過ぎなかった家康が、織田信長とつるんだことで、はからずも「天下一統」をめぐる戦いを繰り広げることになる・・・ということだ。信長+秀吉+家康がまとめて撤退戦に臨む「金ヶ崎の戦い」は、その第一歩にふさわしいイベントだろう。

家康にとっては、一向一揆や「三方ヶ原の戦い」ほどではないにせよ、割と大きなピンチでもある戦。その撤退をどうする? というのも注目だったが、家康が信長に対して「お前の心の内などわかるものか!」と言い放って、家康LOVEな信長を泣かせてしまうという展開の方に、視聴者はドギマギしてしまった模様。

「フラれてショック・・・みたいな絶望顔してるし、泣いてるし、好きすぎるだろ家康のこと」「やばいこれ完全にBLの伝説痴話喧嘩回」などとSNSでも大いに盛り上がったが、そのあとで家康が家臣たちに「なんで止めてくれんかった」と後悔の声をもらす展開に、「お家に帰った途端一気に気弱バージョンに戻る家康可愛すぎ」と、二重に萌えたという声も。

さらに、柴田勝家(吉原光夫)がその後、「我が殿が機嫌が良いのは、徳川さまがおられるときだけ」とフォローしてきたのには、「勝手に岡田信長の愛を密告した柴田勝家のピュアなフォローにずっと笑ってる」「何のラブロマンスを見せられてるんだ」など、一連のやりとりにコメントがあふれた。

しかし信長がここまで家康に執着するのは、明智光秀(酒向芳)や秀吉などの、勝家ならずとも「なに考えてるかわかんない」となる家臣団と違い、最終的にはどストレートに自分の気持ちをぶつけてくる家康が、市が第4回で言った通り「兄上が心から信を置けるお方は、あの方おひとりかもしれませぬ」という存在になっているからなのかもしれない。

SNSでは「『お前も俺を信じぬのかぁ!』って、信長様が一番泣きそうなのよ」「まさに信長は裏切られ続ける。信長にとって家康は最後の砦なのかも」「守ってあげないと死んでしまうか弱い白兎を飼っていたと思っていたのに、白兎がいないと弱って死んでしまうのが信長公の方だったのさぁ」と、その境遇に同情するような声も。

■三英傑の関係性、ちょっと見たことがない構図

雄叫びを上げる家康(松本潤) (C)NHK
雄叫びを上げる家康(松本潤)ら (C)NHK

そのゲスの極み家臣の筆頭とも言えるのがムロ秀吉なわけだけど、今回もしんがりを命じられたあとの、死ぬ死ぬと言って大騒ぎしたすえに(実際撤退戦のしんがりは、一番死に近いポジション)、「出世チャーンス」と瞬時に切り替え、そのために使えそうな家康を巧みに脅して協力を取り付けるという大技に、とにかく唖然とさせられた。

ネット上でも、「この秀吉、恐怖しながら出世の機会とか宣ったりここぞとばかり家康を脅したり、情緒がなんかアレ過ぎてホントに秀吉としか言いようがない」「なんかいままでで一番ヴィランでリアルな秀吉ですね」などの声に混じって、彼に不快感をハッキリ示した家康に対しても「狂気じみた秀吉に『クズ』と言い放つ家康。めちゃくちゃ面白くなってきた」と、期待値を上げるコメントも見受けられた。

今までいろんな三英傑の関係性が描かれてきたけど、これほど信長の家康への思いが完全一方通行だとか、家康がめちゃくちゃ秀吉を嫌ってるとか、秀吉が信長のことを本気で出世のコマとしか考えてなさそうというのは、ちょっと見たことがない構図。今後安心して見られる信頼関係に変化するのか、それともギスギスのままで終わるのか。新章では、その辺りも間違いなく注目だ。

『どうする家康』は、NHK総合で日曜・夜8時(23日は夜8時15分)から、BSプレミアム・BS4Kでは夕方・6時からスタート。第15回『姉川でどうする!』では、浅井・朝倉の軍と激突する「姉川の戦い」と、のちの徳川四天王の一人・井伊直政(板垣李光人)との衝撃の出会いが描かれる。

文/吉永美和子

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