大阪の観光名所「グリコサイン」、歴代振りかえる記念館があった

2023.4.30 08:00

初代(1935年~43年)から5代目までを再現したジオラマ

(写真10枚)

大阪・難波に1935年、異例とも言える巨大ネオン看板広告「グリコサイン」を打ち出した、食品メーカー「江崎グリコ」(本社:大阪市西淀川区)。今や観光名所として人気のあるグリコサインも6代目。そんな同社の広告の歴史、また大正時代からの「グリコのおもちゃ」が一堂に会する、「記念館」があるのをご存知だろうか。

■ 遊び心満載! 斬新な広告とおもちゃで辿る「グリコ」

本社の敷地内にある「江崎記念館」では、大正時代の創業期から令和の最新シリーズまで、約4000点もの「グリコのおもちゃ」を網羅している。お菓子やおもちゃのイメージが強い「グリコ」だが、同館の館長・石橋達二さんによると、原点は意外にも「健康」だという。

もともと薬屋を営んでいた創業者の江崎利一氏が、牡蠣に含まれる栄養素「グリコーゲン」に目をつけ、病気の予防に役立つお菓子に昇華したのが、赤い箱とゴールインマークでお馴染み「グリコのキャラメル」だ。

同館には創業期の資料も残されており、短く覚えやすい商品名「グリコ」や「一粒三百メートル」というキャッチフレーズ、当時の珍しかった赤いパッケージなども江崎氏によるアイデアだったことが分かる。

また、宣伝活動にも力を入れていた江崎氏。お金を入れると映画や音楽とともにグリコが出てくる「映画付き自動販売機」は当時の子どもたちから反響を呼び、資料館でも複製の機械で一連の流れを実際に体感することができる。

人気タレントを起用したテレビCMの放映、画期的な広告の代表格でもある「グリコサイン」を周辺の看板や建物とともに再現したジオラマも見どころで、時代を先取りした広告の数々に触れることができる。

当時の子どもたちを釘付けにした「映画付き自動販売機」も複製

歴代サインを背景に写真が撮れるフォトブースもあり(1回100円)、石橋さんいわく「リアルタイムを知らない世代の方でも、どこか懐かしいと楽しんでいるようです」と人気なんだとか。

友人や家族と来館すれば世代トークで盛り上がること必至な「江崎記念館」だが、石橋さんは「創業者の江崎が、どういった考えのもと『グリコ』におもちゃを入れていたのか。根底にある考え方は今も変わっていないことを、展示を通して感じていただければ」と語る。

「ノスタルジー」だけでなく、その奥に隠された健康や子どもたちに対する同社の思いにもぜひ注目してみてほしい。

現在、館内の一角では、創立100周年を記念した特別展『「グリコのおもちゃ 100年」展~たべること、あそぶこと~』もおこなわれている。おもちゃのデザイン面やジオラマが並ぶ前期展示は、9月29日まで開催予定だ。入場料は常設展とあわせて無料で、電話での完全予約制。平日と第1・3土曜日の朝10時~、昼11時30分~、1時~、2時30分~の4部制。

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