GWにチェック! 2022年の「ベスト日本映画」選出!

2023.4.30 11:00

映画評論家の春岡勇二氏、ミルクマン斉藤氏、華崎陽子氏(左より)

(写真10枚)

「連続殺人犯役の清水尋也が最高!」(華崎)

華崎:ほかに挙がってないのは・・・。あ、片山慎三監督の『さがす』

斉藤:その通り。

華崎:あの子ヤバいですよ。主人公(佐藤二朗)の娘・楓を演じた伊東蒼。マジでやばいですね。

斉藤:『さがす』は良かったね。片山慎三監督といえば『ドライブ・マイ・カー』の脚本家・大江崇允と組んだディズニープラスのカニバリズム映画もスゴくて。

華崎:柳楽優弥主演の『ガンニバル』ですね。この『さがす』は高田亮、小寺和久との共同脚本ですね。

斉藤:高田亮が噛んだらヤバいね。

華崎:『さがす』では、清水尋也も素晴らしくて。

斉藤:分かる(笑)。僕も大好き。

春岡:『ソロモンの偽証』(2015年)や『ちはやふる』(2016年)にも出てたよな。面白い役者なのは間違いない。

華崎:山戸結希監督の『ホットギミック ガールミーツボーイ』にも出てましたよね。映画ファンに知られるようになったのは『渇き。』(2014年)のボク役。

斉藤:あれは上手かったよねぇ。

華崎:この『さがす』でも、指名手配中の連続殺人犯役の清水尋也が最高なんですよ。

指名手配中の連続殺人犯を演じた清水尋也 (C)2022『さがす』製作委員会

春岡:主演の佐藤二朗が、いつものような五月蠅い芝居じゃないだろう。福田雄一監督作品のような(笑)。

斉藤:ようやく、佐藤二朗本来の良さが発揮できる役が回ってくるようになった。ムロツヨシもそうだけど、おちゃらけた役回りじゃなくて、実力ある役者が本来の力を出したというか。

春岡:その通りだよ。そろそろベスト3を決めなきゃなんだけど、どうだった?

斉藤:僕は、『名付けようのない踊り』『恋は光』『犬王』の3本ですね。

春岡:良いとこ持っていくなぁ(笑)。俺は、『ハケンアニメ!』、『あちらにいる鬼』、『夕方のおともだち』かな。

華崎:廣木監督の2本がトップ3ですか?

春岡:あ、そうか。『あちらにいる鬼』はキネ旬のベストテンでも入れたからいいか。『愛なのに』も『マイ・ブロークン・マリコ』も良いんだよな。ちょっと待ってよ、俺、あれを忘れてたよ。小泉徳宏監督の『線は、僕を描く』

斉藤:いいじゃないですか。でも、小泉監督って、ちょっと過小評価されてるよね。あんな素晴らしいのに。

春岡:小泉監督こそ、駄作がないよな。

斉藤:まったくない、全部良い。しかも丁寧。

春岡:映画会社が信頼するの分かるもん。この作品は、小泉監督に撮らせておけば大丈夫っていう。三木孝浩監督もそうだけど。

斉藤:2022年の三木監督は、ちょっと撮りすぎやったからな。

春岡:小泉監督は若くして、安心感がある。それこそ、河合優美があんな端役でも良いのよ。江口洋介が実は書家だったっていう、あのわざとらしい演出も。

斉藤:良いじゃん。大好き、ああいう演出。

春岡:そうなんだよ。あのわざとらしさが良いんだよ。

斉藤:美術も含めてね。よくあんな美術を作ったなってくらい。タイトルデザインもカッコいいしね。小泉監督はフォトジェニックなのよ、画の作り方が。

春岡:『ちはやふる』なんて、つまんねぇ監督が撮ったらとんでもない駄作になるからな。

華崎:躍動感あるし。でも、今回主演だった横浜流星は、『ちはやふる』のオーディションに落ちたらしくって。だから、小泉監督とできてうれしかったと言ってました。

春岡:いい話じゃんか。じゃあ、俺は『ハケンアニメ!』『夕方のおともだち』『線は、僕を描く』をトップ3に。

華崎:私は、『ちょっと思い出しただけ』『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』『川っぺりムコリッタ』をトップ3にします。

一同:いい感じにまとまったね。

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