勢いに乗るKroi「潜在的なニーズを突いていけるバンドに」

2023.4.30 21:15

Kroiの内田怜央(左・Gt./Vo.)、長谷部悠生(Gt.)

(写真5枚)

ファンクをベースにした高い音楽性で2021年にメジャーデビューを飾り、日本の主要フェスへの出演や数多くのタイアップ曲も手がけたことで、一気に幅広いファン層を獲得してきたバンド・Kroi(クロイ)。

2枚のアルバム・リリースを経て制作された最新作『MAGNET』では、これまで以上にソリッドなグルーヴを放つファンク路線からメロウなニュー・ソウル調まで、多彩な方向性を示した全6曲で、まだまだ尽きることがないバンドの力量を新たなアプローチで示している。

すでにライブハウス編とホール編に分かれた全国ツアーをスタート(大阪公演は5月12日)させ、さらなる勢いに乗るバンドの今について、ボーカルの内田怜央とギターの長谷部悠生に語ってもらった。

取材・文/吉本秀純 写真/塩崎智裕

■ タイアップが増え「求められている部分が明確に」

──2021年に初のアルバム『LENS』でメジャーデビューしたKroiですが、ファンクをルーツとするバンドの基本をしっかりと表現した1枚目と比べると、2022年に発表した2ndアルバム『telegraph』では、より間口の広い曲作りで新たな方向性を示してきた感がありました。

内田:そうですね。2枚目に関しては、かなり「現代感」を大事にしたというか。それまでって、ホントに自分たちがやりたいと思う根っこの部分、ルーツの部分をしっかり出した楽曲を作っていくことに尽力してたんですけど、『telegraph』からはより実験的な方向性とか、今この現代でやって価値のあるものを作りたいというのがあって。

長谷部:そう。

内田:ルーツを大事にするのはずっと前提としてありつつも、そのなかでもっと現代的なアプローチをちゃんと入れていったアルバムが『telegraph』だったと思います。そのあたりから、わりとポップな曲が増えだした感じもします。

──タイアップ曲が増えたのも、その広がりに好作用したのかなと思いましたが(「ダイハツROCKY e:smart」CMソング『Juden』、テレ東ドラマ『しろめし修行僧』OPテーマ『Small World』など多数)。

内田:自分たちがやりたいこととは別の、(バンドに対して)求められている部分が明確になってきたというか。その部分と自分たちのやりたいことを混ぜて、どんだけ自分たちの表現をみんなに届けられるかということを、より研究するようになりましたね。それは昔からやっていたんですけど、よりわかりやすく世の中が求めているものを作品に入れることによって、本当にやりたい表現にもっといろんな人を巻き込めるんじゃないか、という思考が生まれてきました。

──ギターの長谷部さんも同じような印象ですか?

長谷部:そうですね。自分の印象としては、2ndアルバムから曲のサビがより強くなった印象があります。前作『telegraph』はテーマ感のある曲が多くて、それに沿ってより実験的にしていく試みをしてきたなかで、最新作の『MAGNET』では(全体的な)作り方も含めてより実験的になった気がします。2枚のアルバムで培ってきたレコーディングの手法をふんだんに使って取り組めたEPになったかなと思いますね。

──2枚のアルバムを経たところでの、最新作『MAGNET』と。

内田:今回はまたルーツ感が強い曲もありますし、前作のような実験的な部分もありますし。だから、よりラフにも考えながらも、しっかり突き詰めるところは突き詰めつつみたいな。その2層の軸があるEPになったかなという感じがします。

Kroi

Kroi Live Tour 2023『Magnetic』

日時:2023年5月12日(金)・19:00〜
会場:Zepp Namba(OSAKA)(大阪市浪速区敷津東2-1-39)
料金:1F立見4800円、2F指定席4800円 ※ドリンク代別

日時:2023年6月2日(金)・18:30〜
会場:オリックス劇場(大阪市西区新町1-14-15)
料金:指定席5800円

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