明日海りお、デビュー20周年は「挨拶回りをするという感覚」

2023.5.4 21:00

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』に出演する明日海りお

(写真6枚)

ひとたびステージに立つと圧倒的な求心力で観客の心をとらえる、元宝塚歌劇団花組トップスターの明日海りお。関西では約2年ぶりの舞台となる『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』に出演する。

今年20周年という節目を迎えた明日海に、宝塚音楽学校に入る前から現在までの心境、美のカリスマ、エリザベス・アーデンを演じる意気込み、退団後の芝居の変化、こだわりの美容法についてなどじっくり訊いた。

取材・文/小野寺亜紀 写真/Ayami

■ 「パパはいつでも1番の味方だから」

──2003年の初舞台から20周年の今、どのようなお気持ちですか。

10年目ぐらいまでは先輩の方々がたくさんいらっしゃるなか、芸事以外にもやることが多くて、結構記憶喪失なところがあって(笑)。でもだんだんファンの方が増え、小さな劇場で主演をやらせていただいたり、組のなかで羽根を背負わせていただいて・・・と歩んでくることができ、本当に周りの方たちのおかげだなと思います。

卒業後も宝塚の舞台を観劇している明日海、後輩たちについて「緊張しちゃう子から、逆にウィンクしてくれる子も!」と明かす

宝塚を卒業し模索している時期もありましたが、20年と聞くと、それだけ長い間やってきたんだなと感じます。私のなかでは「20」というより「17プラス3」、まだ3年生という気持ちのほうが強いです。

──宝塚歌劇団を卒業されてから3年以上、舞台出演をはじめ、ドラマでは朝の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)や『大病院占拠』(NTV)など多方面で活躍されていますね。

やっぱり健康が大切。公演自体が中止になったことはあるのですが、私自身休演したことは1回もないんです。「うわ~どうして!?」というつらい時期も、なんだかんだ立ち直れて、心も病むことなく今にいたるので、そういう意味でもご一緒させていただいた方々、応援してくださった皆さまに感謝を還元する年と言いますか、挨拶回りをする年、という感覚です。

──おかえしする年だと。ご両親を説得し、中学3年で宝塚音楽学校を受験されたのですよね。ご両親からいただいた忘れられない言葉などありますか?

両親は最初受験にとても反対していたのですが、合格が決まり宝塚の寮に入ることになり、実家で過ごした最後の日に、父が初めて「いつでも1番の味方だから」と言ってくれたんです。普段無口で、絶対そんなこと言う父じゃないのに。

レンズ越しにさまざまな表情を見せる明日海に、カメラマンは「お話し中のやわらかい雰囲気と違ってドキッとします!」

──よほど想いを伝えたかったのでしょうか。

そうですね、グッときました。そして、お箸の持ち方にずっとクセがあった私に、「これからは外に出て、目上の方と食事をすることもあるだろうから絶対直しなさい!」と、その日に直されました。でも何年か経って「あれ、いつお箸ちゃんと持てるようになったの?」と言われて、いやー、お父さんに教えてもらったんだよ!と思いました(笑)。

──宝塚退団後のご活躍も喜んでいらっしゃいますか?

父も母もすごく喜んでくれています。ドラマや配信などは出向かず家で楽しめますよね。それでテレビにつなげる機器なども充実させて観てくれています。

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

大阪公演
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1丁目17-5)
期間:5月27日(土)~29日(月)
料金:1万4500円

京都公演
会場:京都劇場(京都市下京区東塩小路町901 京都駅ビル)
期間:6月8日(木)~13日(火)
料金:1万4500円

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