明日海りお、デビュー20周年は「挨拶回りをするという感覚」

2023.5.4 21:00

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』に出演する明日海りお

(写真6枚)

■「カリスマ性があり、人を引っ張る力が必要な役」

──今はミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』のお稽古中ですが、この作品の魅力、惹かれるところは?

やはり化粧品を扱う、「美」にこだわる2人の物語なので、自ずと舞台空間や衣裳もおしゃれになるでしょうし、まず女性の方に喜んでいただけると思います。そして20世紀前半という、男女格差が今よりもずっと大きかった時代に、女性経営者として第一線を走り続けた2人が、時代の変化の波にもまれ、自身も歳を重ねて・・・というように衰退していくところがおもしろいです。

このように自分の人生に向き合うことは誰でもあると思うので、そういう意味では男性の方にも観て楽しんでいただきたいです。

楽曲についてはかなりの曲数を歌うため、「夜お布団に入っても歌詞がグルグル回るほど今は苦しんでいます(苦笑)」と話す

──ブロードウェイでは大女優のクリスティン・エバーソールとパティ・ルポーンが、ともにトニー賞ミュージカル主演女優賞にノミネートされた画期的な作品。日本初演となる今回は、『マイ・フェア・レディ』など数々の作品を手掛けるG2さんが翻訳・訳詞・演出されます。

G2さんとは「初めまして」なのですが、最初の本読みで、とても細やかに作っていかれる方という印象を受けました。1つひとつの場面を取り出し、「この背景にはこんな話があった」みたいに、丁寧に進めてくださるので、これからの稽古が楽しみになりました。

──明日海さんはもともと「芝居の月組」と言われる月組ご出身で、とてもお芝居が好きな印象があります。退団してから芝居の取り組み方で変わった部分、変わらない部分などありますか。

ドラマは共演者の方たちとガッと集まり撮っていくという集中力、そこで起こる化学反応のおもしろさがあります。舞台には、時間をかけてコミュニケーションを取りながら何回も繰り返したり、全体像ができあがってからまた場面を抽出して考え直したりすることができます。

女性を演じるというのでは、ドラマと舞台ではまた違うなと感じますし、どのあたりの時代の話なのか、どのぐらいのコスチューム感なのか、というのでも演じる塩梅が違うなと思っています。

男役だった現役時代との発声方法の違いについて、「軽い女性の声の響きを出すには、口の形や舌の力の入れ方も変えていっている」と明日海

──今回の舞台は時代が少しさかのぼりますし、演じられるエリザベス・アーデンは実在の人物でもありますね。

台本を読み進めると、とても引力のある人。 パワフルでカリスマ性があり、人をぐいぐい引っ張っていく力が必要だなと感じます。結婚し家族をたくさんもって・・・というのではないところに自分の道を見出し、美を追求するこだわりがあり、意思の強い人だなと思います。

──トップ時代の経験も活かせそう?

そうですね。あと、タイトルに「VS(バーサス)」とあるように、全編通して怒っている場面が多く、体力がいるなと思います。普段の生活でそんなに怒り続けることってないですよね? 私が何でも言い合えるのは母ぐらいで、電話で「今、ちょっと忙しいから」とか言っちゃうときもありますが、普段は「落ち着いていこう」というスタンス。エリザベスは相手に敵意をむき出しにするエネルギーが、グツグツとある女性です。

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

大阪公演
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1丁目17-5)
期間:5月27日(土)~29日(月)
料金:1万4500円

京都公演
会場:京都劇場(京都市下京区東塩小路町901 京都駅ビル)
期間:6月8日(木)~13日(火)
料金:1万4500円

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本