神戸の中心部に「遊べるオアシス」、150年目に見えた賑わい

2023.5.4 07:15

4月初旬にリニューアルオープンを果たした「東遊園地」(神戸市中央区)

(写真10枚)

神戸・三宮エリアの都市部に位置する公園「東遊園地」(神戸市中央区)が、8年間の社会実験を経て4月初旬にリニューアルオープンした。にぎわいは創出されたのか? オープンから約2週間の同園を訪れた。

■ 好立地なだけに「もったいない」と再整備

神戸開港から外国人のレクリエーション・グランドとして使われていた歴史のある同園は、都市公園として今年150周年を迎える。これまでは、グランドやモニュメントがある公園といったところで、ルミナリエなどのイベントがあるとき以外は、ほとんど人がいない状態だった。

ビルに囲まれた空間はまるで都会のオアシス

それでは好立地にも関わらず「もったいない」と、日常的な活用を目指して、2015年から仮設のカフェやアウトドアライブラリーの設置、芝生の敷設などのほか、さまざまなプログラムを開催する社会実験をおこない、市民を対象としたアンケートやパブリックコメントを募集。そういった過程を踏むことで「withコロナ時代に対応した公園」といったアイデアなどが浮き彫りとなり、今回の再整備が実現した。

■ カフェや屋外図書館も、来訪者は「いいところだね」

リニューアルの目玉は、大小の円形「芝生ひろば」と、カフェや屋外図書館、レンタルスペースがある施設「URBAN PICNIC(アーバンピクニック)」だ。

店内飲食はもちろん、テイクアウトも楽しめる「WEEKEND」

施設中央にあるカフェ「WEEKEND」は、店内飲食のほか、屋外設置のカウンターから注文できるテイクアウトメニューを用意する。芝生やガーデン周辺には、バリエーション豊かなベンチが設置されているので、プリプリのソーセージが挟まる「ホットドック(900円)」、「ハーブ香るレモンスカッシュ(600円)」や「open air湊山醸造場」のクラフトビール(850円〜)などを購入して、気軽にピクニックが楽しめる。

神戸で育ち、現在は大阪に住むという60代・男性は「新しくなった東遊園地に行ってみようかと、ここが目的で来た。きれいでいいところだね」と屋根付きのベンチに腰掛けて満足そう。

また、芝生で遊ぶ2歳くらいの男の子を見守っていた、近所に住むという30代・お母さんふたりは、「死角や段差がないので子どもを遊ばせやすいですね。私たちはコーヒーを飲みながら座って見守れます」とリラックスした様子で公園の変化を歓迎した。

屋外図書館には「ここに置いてほしい」と市民から寄贈された本が並ぶ

■ 「公園」だけにはとどまらない、企画も続々

「アーバンピクニック」の代表・村上豪英さんは「飲食ができる公園は多いですが、私たちはこの公園には、イベントやプログラム、セミナーや小さなパーティーがすごく大事ではないかと考えました。多くの方がここで気持ちよく過ごし、この公園から神戸の良さを発信していけるような拠点にしていきたい」と語ったように、社会実験でコツコツと取り組んできたソフト面の充実も、継続的な賑わいをつくりそうだ。

今後はヨガや演奏会、セミナーなどの開催のほか、神戸の生産者に出会えるファーマーズマーケットも帰ってくるので、都心のオアシスとしてだけでなく、より幅広い人たちが目的を持って訪れるお出かけスポットになることが期待される。営業時間は、カフェ「WEEKEND」は朝11時半から夜10時まで(L .O9時半)、レンタルスペースは朝9時から夜9時まで。イベント情報は公式SNSにて。

取材・文・写真/太田浩子

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