いつの間にか肝が座ってる家康と家臣、その本音にSNS感涙【どうする家康】

2023.5.5 07:00

家臣団と話し合う徳川家康(松本潤)(C)NHK

(写真2枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。4月30日の第16回『信玄を怒らせるな』は、タイトルに反して信玄を怒らせてしまった家康のこれまでにない対応ぶりと、家臣団の忠誠心に胸が熱くなる展開となった(以下、ネタバレあり)。

■どうする家康、信玄との戦は避けられない

井伊虎松(のちの直政/板垣李光人)から、遠江の民は今川を裏切った徳川より、武田信玄(阿部寛)のほうが国主にふさわしいと思っている、と言われた家康。実際に遠江で武田に内通する者が相次ぐことから危機感を抱き、上杉謙信と組もうとするが、武田の忍び・千代(古川琴音)に密書を奪われ、その企みが漏れてしまう。

もはや信玄との戦は避けられないと踏んだ家康は、服部半蔵(山田孝之)に命じて、武田の人質になっている義弟・勝俊(長尾謙杜)を救出。しかしその計画すらつかんでいた信玄は、逆に勝俊に「弱き主君は害悪なり。滅ぶが民のためなり。生き延びたければ我が家臣となれ」という伝言を預けていた。家康は家臣たちに最終決断を委ねるが、「十に九つは負けるけど、ひとつは勝てるかもしれない」と、全員が信玄と戦うことを決意する・・・。

■家臣らと一致団結する家康の姿、まぶしいものを見る思い

息子の武田四郎勝頼(眞栄田郷敦)と話す武田信玄(阿部寛)(C)NHK
息子の武田四郎勝頼(眞栄田郷敦)と話す武田信玄(阿部寛)(C)NHK

家康を「岡崎のわっぱ」と呼び、敵視というより「遊びがいのある玩具」扱いしている節のある武田信玄が、ついに腰を上げた第16回。しかし物語の4分の1を超え、初回では泣きながら「どうすりゃいいんじゃー!」と叫んでいた家康も、それに戸惑いながらもついていくしかなかった家臣たちも、いつの間にか肝が座っていることを感じさせる回となった。

義弟の勝俊から「武田は勝てる相手ではない」と告げられたとき、桶狭間の頃の家康なら、ほぼほぼ逃げ出していたであろう。しかし今回は自分で決められないながらも、信頼関係ができあがった家臣たちに結論を託した。その結果、誰もが家康の頼りなさをあれこれあげつらいながらも「でも、そこがいい」「一緒にここまでがんばったんだから」という感じで一致団結していく流れに、多くの人はまぶしいものを見るような思いを抱いただろう。

SNSでも「大事な家臣を勝ち目のない戦に駆り出したくない殿と、軽口を叩きながらもそんな殿に絶対に付き従う強くて賢い家臣たち。さすがにアツくて震えてしまった」「うちの殿は頼りない、情けない、信玄のが全然いいわ~、へつらってみじめに生きてこーや、ってなんだその本音混じりのへたくそな芝居!泣」など、感動の言葉が並んだ。

この風景を見ていると、誰もが「ああ、勝って欲しいな三方ヶ原。歴史変わらんかな・・・」と思ってしまうことだろうが、次回はいよいよ「家康の生涯三大危機」第2弾となる三方ヶ原の戦い。おそらくは危機第1弾の「三河一向一揆」に匹敵するしんどい展開になると思うけど、殿と家臣団のさらなるステップアップの機会だと信じて、腹をくくっておこう。

『どうする家康』は、NHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夕方6時からスタート(BS4Kは昼0時15分から先行放送あり)。5月7日の第17回『三方ヶ原合戦』では、ついに遠江に攻め込んできた武田信玄の思わぬ行動に、家康が大勢の家臣と家族の生死がかかった大きな「どうする」に向き合うさまが描かれる。

文/吉永美和子

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