阪神タイガースで「推し活」盛り上がる、SNSで「裏の顔」も意識

2023.5.18 19:00

「中野選手のファン」と笑顔を見せる女性2人組(5月12日・兵庫県西宮市)

(写真12枚)

世界中を熱狂させたWBCや行動規制の緩和、声出し解禁も追い風となり、連日ツイッターでトレンド入りするほど盛り上がりを見せているプロ野球。現在(5月18日)首位の「阪神タイガース」(本拠地:兵庫県西宮市)は5月12〜14日に毎年恒例の女性ファン向けイベント『TORACO DAY(トラコデー)』を実施、3日間で多くのTORACOが球場にかけつけた。

■ 選手がスーツや私服で決めポーズ、限定スポットにファン興奮

10周年を迎える今回、Z世代の新しいファンだけでなく、これまで支えてくれたファンも楽しめるようにと「平成レトロ」をテーマに採用。人気アニメ『うる星やつら』や「MARY QUANT」とコラボしたアイテム、女性入場者限定で配布されたユニフォームなど、イベント限定グッズで球場は埋め尽くされた。

女性担当者の目線で企画された同イベントでは、スーツ姿で赤いバラを持った選手たちの写真や等身大パネルが出現。昼過ぎからファンが集まり始め、夕方には撮影待ちの行列ができた。20代の女性2人組は「中野選手を見に来ました」「梅野選手のグッズを買いました!」と、応援の準備は万端。40代の女性4人組は「売り切れる前に買おうと朝からショップに行ってきました!」とイベント限定クッションやタオルを抱えて笑顔を見せた。

球場外周にあるメモリアルウォールがトラコデー限定で「スーツ×バラ」バージョンに変身(5月12日・兵庫県西宮市)

■ まるでアイドルのコンサートグッズ?「推し活」ムード高まる新シリーズ

また、今春から球団公式の「推し活グッズ」が仲間入り。私服コーデの選手が胸キュンポーズを決めた「アクリルスタンド」やキラキラの「バルーンスティック」など、アイドルグッズのような品々は写真映え抜群だ。とくに、侍ジャパンメンバーでもあり、愛らしいルックスで注目を集める中野拓夢選手や湯浅京己選手は、売り切れアイテムが出るなどさっそく好調だという。

広報担当者は、「たとえ野球のルールが分からなくても、気になる選手を推していくことで少しずつおもしろさを知ってほしい。推せるときに推してほしいという気持ちを込め、推し活グッズに力を入れました」と説明する。

新たに加わった「推し活グッズ」シリーズ(阪神タイガースグッズ2023年2月1日発売開始のカタログより)

■ SNS強化で「裏の顔」もアピール

また、同球団のSNSは、ツイッターのフォロワー数が169.5万人、YouTubeのチャンネル登録者数が33.2万人と12球団のなかでトップクラス(2023年5月18日現在)。試合のハイライトのほか練習風景やキャンプ中の密着動画なども公開され、若いファンからの反響が良いそうだ。

2022年にはTikTokも開設。「女性は試合中の表の顔だけでなく、選手同士のじゃれ合いや撮影のオフショットなど『裏の顔』を好む人が多いのでよく取り上げている。選手とTORACOのみなさんを繋ぐというところでSNSを強化している」と担当者。選手全員が平成生まれで、照れながらも協力的だという。

SNSでは応援仲間を集る投稿も増えており、「正確な数は分からないですが、明らかに若い女性が増えている印象」と、担当者は話す。観戦することだけにとらわれず、推しの選手を見つけて応援していくことが新しい野球の楽しみ方となっているようだ。

「試合会場で知り合い、応援仲間になった」という男性、女性、親子の姿も(5月12日・兵庫県西宮市)

『TORACO DAY』は、8月22日のVS中日ドラゴンズ戦(京セラドーム大阪)でも開催。入場者特典がもらえる女性限定エリア「TORACOシート」(2名・6000円〜)は残りわずか。

取材・文・写真/sumire

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