兵庫・明石の暴言王、住民から絶大な支持を得たやさしい市政

2023.5.19 19:00

明石市議会での泉房穂市長(当時)

(写真3枚)

4月末に12年間の任期を終えた前明石市長・泉房穂さんに密着した『ザ・ドキュメント 泉と房穂 やさしい明石の暴言王』が、5月19日深夜にカンテレで放送される。語りは、講談師の玉田玉秀斎がつとめる。

東京大学を卒業後、NHKに入社。その後、テレビ朝日や石井紘基民主党衆議院議員の秘書を経て、2003年に衆議院議員となった泉さん。2011年に明石市長選挙に無所属で出馬し、自民党や兵庫県知事の支援を受けた候補者を大接戦(わずか69票差)の末に破り、初当選を果たした。

2019年には職員への暴言がマスコミで報じられ、その責任をとって辞職。5000通の署名を受けて市長選に再出馬し、得票率70%を超える圧勝で3回目の当選。子どもに対する「5つの無料化」や全国初の施策を連発し、10年連続の人口増を達成するなど、「やさしい明石」の立役者となった。

その一方、市政への情熱は各所で軋轢を起こす結果となり、市政の進め方を巡る議会との対立や暴言問題がたびたび報じられ、2022年10月には任期満了とともに引退を発表。11月には、明石をより良い街にしていくため、議会を変えるべく政治団体「明石市民の会」を設立。市長、県議会議員、市議会議員に送り出した7人全員を、すさまじい得票数で当選させた。

議会とは揉めつつも、市民からは圧倒的な支持を得てきた泉さん。子どもの頃、目の当たりにした冷たい社会に対して、復讐を誓った人間・房穂と、愛する故郷のためにがむしゃらに突き進む政治家・泉という、相反する2つの感情を胸に秘めて明石市のために邁進してきた。

政治団体「明石市民の会」を設立、議会を変えるべく候補者を立てた泉房穂市長(当時・中央)

語りを担当する玉田は、「講談というは、人の人生を語る、人生の選択の瞬間を描くのですが、まさにこの泉前市長の人生の選択が見えて、楽しかったですね。心を動かすのが芸能の基本なので、そういう意味では非常に興味深い方でした。講談になる人生だなと思いました。もし戦国時代に生まれていたらすごい武将になっていたかもしれませんね」とコメント。

そして、「市民からしたら、とてつもなく良い市長だったのが、議会の人から見たら、とてつもなくたまらない人。昔の仲間からしても、まるで裏切られたかのように思う。同じ人なのかと思いますよね。でもたぶん、それが世のなかで、僕たちって結果的に一面しか見れないんだな。多面的には、人というものは見れないし、世界を見れないんだなっていうことを、この番組を見て、感じていただきたいですね」と、番組の見どころを語った。

同番組は5月19日・深夜1時25分からカンテレで放送される(関西ローカル)。

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