さよなら青春…大阪・マルビルの名物スタバが閉店、24年に幕

2023.5.27 21:15

1999年12月10日にオープンした「スターバックス コーヒー 大阪マルビル店」(大阪市北区)

(写真7枚)

建て替えのため取り壊しが決定している、大阪のランドマーク「大阪マルビル」(大阪市北区)。そして、その1階で24年間にわたって愛された「スターバックス コーヒー 大阪マルビル店」が5月26日、惜しまれつつ閉店を迎えた。この記事ではそんな「最後の日」をお届けしたい。

■ オープン当時は「スターバックス」がまだ無名だった頃

日本の「スターバックス」が今ほど知名度が無かった1999年12月に開業した同店。大阪1号店となる「梅田HEP FIVE店」がその前年にオープンしていたが、当時はまだ府内10店舗にも達していなかった(今では府内70店舗以上もあるからスゴい)。

同店のトレードマークとも言える「テラス席」

それから24年、めくるめく変わる大阪・梅田エリアを見守り続けた「番人」とも言える同店。駅から地下で直結の好立地ながらにも、都会の騒音からソっと守ってくれるような不思議な店舗空間が多くの人から好まれ、店舗に併設された「中庭」のようなテラス席では、学生たちがいつも楽しそうにおしゃべりをしていた。

■ 「このお店が無くなったとしても、思い出や記憶には」

記者は閉店する最後の日、「閉店のお知らせ」をバックに写真撮影をする人やルーティンに別れを告げる人々を横目に、ストアマネージャーの菅原雄次さんを尋ねた。

「大阪マルビル店」のスタッフたち、後列でブラックエプロンを着用しているのがストアマネージャーの菅原さん

「閉店を聞いたのは去年の夏頃で、そこから考えるとあっという間でしたね。この2週間くらいは常連さんと話す内容も『もうすぐだね』ばかりでしたし・・・、今日は10年前に来てくださっていたお客さまが引っ越し先からわざわざ来てくださったり、12年前に働いていたバリスタ(スタッフ)も東京から日帰りで駆けつけてくれたりと、改めて愛されていたお店だったんだということを実感しました」と菅原さん。

黒板に描かれた「閉店のお知らせ」

そして、「このお店が無くなったとしても、みなさんの思い出や記憶には残ってほしい。例えば、お客さまがマルビルや同店舗のこと思い出して、ほかの店舗のバリスタさんと話していただくだけでも、僕たちがしたかったことは達成できているのかなと思います」と、笑顔を見せた。

閉店の日、店内では「マルビル ブレンド」という、店舗をイメージして作られたオリジナルのブレンドコーヒーが振る舞われた

菅原さんの話にも「思い出」や「記憶」という言葉があったが、さすがは24年の歴史。「20年前に常連だったからと足を運んでくださるお客さまや、当時の彼氏とのデートスポットで、今は旦那さんですと報告してくださるお客さまなど、想像以上にたくさんの方からの思い出話を聞かせていただきました」と語るのは、スタッフの今井碧さん。

また、SNSにもさまざまなコメントが綴られており、「大阪来てからお世話になったマルビルのスタバも閉店かぁ」「学生時代からの思い出地だけに寂しい」「夜行バスに乗る前の待機場所に絶好だった」「よく2人で行ったなー」「初めて行ったスタバがここ、仕事帰りに同期とよく行ったな」など、それぞれの思いが溢れる。

「大阪マルビル」は今夏に取り壊しがおこなわれ、2030年に新生・大阪マルビル(名称は未定)として生まれ変わる。姿・形は変わったとしても、ここで過ごした時間はきっと消えることはない。たくさんの出会い、メモリーを作ってくれた「スターバックス コーヒー 大阪マルビル店」、ありがとう!

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