相席で全国ブレイクの予感…真面目が面白い、西川忠志に迫る

2023.6.8 20:35

「祇園花月」の出番合間、インタビューに答える西川忠志(コロラド祇園店にて)

(写真14枚)

■ 西川忠志が決まりごとを破れない理由

5歳の頃から役者をやっていた忠志。いくつかの芸能事務所を経て、吉本新喜劇に入ったのは2009年3月。当時、40歳だった。

忠志は「入団したとき、座長だった内場勝則さんが『新喜劇に入ったからって、今までのスタイルを変える必要はないよ。変に笑わせようとするとおかしな方向になるはずだから』とおっしゃってくださったんです。そのおかげで、役者として真面目に舞台に立つことができています。それに僕は、真面目な芝居でしか自分を生かすことができませんから。ただ、まわりのみなさんが『真面目か!』とツッコミをいれてくださることで笑いが起きるようになりました」と、14年前を振りかえる。

「祇園花月」での劇場合間は周辺を散歩するという西川忠志。途中、川沿いで綿毛を吹いていた

物心ついたときから真面目。忠志は「本当に小心者で、決まりごとを破るのが怖かったんです」と話す。特に大きかったのが両親の存在。「親に迷惑をかけてはいけないと、ずっと考えていましたから。警察沙汰なんてもってのほかですし、校則を破って親に迷惑をかけることもできません。ですから、校則に『下校時は寄り道をしてはいけない』とあれば、僕はそれを曲げられませんでした」と、ロイヤルファミリーの長男としての意識が強かったという。

■ 浅香あき恵も驚く、公演初日の暴走ぶり

しかしアキは、そんな忠志に秘められた「怪物ぶり」についてこのように語る。「忠志さんは真面目だけど、ヤバいものも持っている。『相席食堂』で映っていたのはそのほんの一部。それなのに、同じ回でロケに出ていたあのフワちゃんが普通に見えたじゃないですか。あれはフワちゃんではなく誰がやっても、忠志さんの前ではそうなるんです」とアキ。

続けて「やっぱり持って生まれた血、DNAなんですよ。小さいときからエグい教材を近くで見ていたわけだから。だって、やすし・きよし師匠ですよ? しかもヘレンさんもいる。だから忠志さんは、あれでもまだ力を押さえている。あの人は重しを外していません!」と話す。

「役者としてあそこまで暴走できる人は珍しい」と話す新喜劇座員・浅香あき恵

浅香も同感のようで、「新喜劇の舞台でも、役として時にとんでもない暴走を始めることがあるんです。それは決して悪い意味ではなく、忠志さんは自分が思ったことをまずやってみるタイプということなんです。そして、そこからいろんなものを削ぎ落としていかれます。だから公演初日の暴走ぶりはすさまじく、公演最終日はものすごく洗練されている。役者として、あそこまで暴走できる人は珍しいです」とベテランもうなるほど。

たしかにそれは出演するテレビ番組などを見ていても感じられる。たとえば『発見!仰天!! プレミアもん!!! 土曜はダメよ!』(読売テレビ)でレポーターをつとめるときも、前触れもなくいきなりクイズを出すなどし、VTRを観ている出演者を困惑させることが多々ある。

散歩中、「鳩ってなんで通電せえへんのでしょうね?」と疑問を持つ西川忠志

忠志自身は「僕はそれを意識したり、演じているわけではないんです」と、わきあがってくるものをそのまま出しているだけだと話す。

「ですからバラエティ番組の出演をいただく際、スタッフの方から『あの番組でやっていらっしゃったようなことを、お願いしたいです』と言われるとすごく難しいんです。それを無理なく自然体でやるにはどうすれば良いのか、と考え込んでしまいます。バラエティ番組に出演していらっしゃるタレントのみなさんは自然にやっていらっしゃいますから。いろんなものを見聞きして、本当に勉強、勉強の日々です」。

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