VR×因習が織りなす新感覚ホラー、清水監督&生駒里奈が語る

2023.6.19 17:00

ホラー映画『忌怪島』のメガホンを取った清水崇監督と生駒里奈

(写真4枚)

『呪怨』シリーズで知られる日本ホラー映画界の巨匠・清水崇監督による最新作『忌怪島/きかいじま』が6月16日に公開された。本作の舞台となるのは「島」。その島でVR研究をおこなうプロジェクトチームの元に、怨霊「イマジョ」によって起こる怪奇現象を描いた作品となっている。主演はなにわ男子・西畑大吾が務め、乃木坂46の元メンバー・生駒里奈らが脇を固める。

現実世界と仮想世界のはざまで葛藤するプロジェクトチームのメンバー。因習と最先端技術が織りなす恐怖体験はまさに新感覚ホラーだ。このほど来阪した清水監督と生駒に映画の見どころなどを訊いた。

取材・文/ミルクマン斉藤 写真/木村正史

■ 因習とVRを交えた新感覚ホラー

──清水監督が手がけたこれまでの「村」シリーズ。すべて拝見していますが、個人的には今回特におもしろかったです。

清水:そうですか。良かった、段々下がってますねって言われなくて。

──いやいや、今回ちょっと新機軸じゃないですか? SFホラーみたいな要素もあって。

清水:「村」シリーズは全部で3つあって、毎年撮ってたんで大変だったんです。

生駒:それ、大変だ。毎年 1本ってすごい!

清水:で、「村」の後は「島」かな、って話は前から出てたんすけど。最初『犬鳴村』(主演:三吉彩花)を一緒に制作した東映の紀伊プロデューサーから、「もうちょっとポップにしたい」って言われてたんですよ。

確かに「村」シリーズって、因習づくしで暗くなっていく話が多かったので、それはいいかもと。そこに脳科学を入れたら未来の新しい部分と、さらにその島の因習を交えていけるかもという想いがあり、VR要素を入れました。

6月16日(金)公開 映画『忌怪島/きかいじま』西畑大吾主演解禁 スペシャル映像

──土着信仰とヴァーチャルな世界と脳科学と。この組み合わせが面白い。しかも、いわゆるオカルト的な世界と科学が結びつくとなると『エクソシスト』と『エクソシスト2』の関係とか、『リング』と『リング2』の関係とかを思い浮かべます。

清水:そうですね、『エクソシスト』と『エクソシスト2』の流れは『リング』で実は踏襲してるんですよ。脚本家の高橋洋さんが大好きなので。

生駒:私、オカルトは好きなんです。怖い話とか。犬鳴トンネルの話も好きですし、Youtubeとかの考察動画とかもすっごい見るタイプですし、『樹海村』(主演:山田杏奈)のコトリバコなんてリアルすぎて。すごい・・・この作品を作った監督とやるのかぁと思って。

──都市伝説とか、そういうオカルト系が好きなんだったら、今までの村シリーズは割と素直に受け入れられた?

生駒:そうですね、割と素直に。分かりやすすぎて、というと誤解を招いてしまうかもしれないのですが、恐怖の具現化がそのまますぎて、って言えばいいんですかね? それくらい良い意味で見た人の心を疲れさせる。この作品をどんな人が撮るのかなと思っていたら、誰よりも丁寧な方だったという印象です。ひとつひとつのリアクションの意味もちゃんと説明してくださって。だから悩むこともないし、むしろ楽しかったですね。

清水:(笑)。で、話を戻すと、生駒ちゃんたちが演じる若い研究者が通常口にするであろう科学やVRの用語とかを、どういう風に使って仕事をするのかとかは色々調べたし、監修の先生にも脚本を読んでもらってました。演じるみなさんも詳しい人がいる訳じゃないから、間違いがないように伝えないといけないし。

──ちゃんと監修も入っていた訳ですね。

清水:そうですね。脳科学の監修の方も。実際に現場にも来てもらって、黒板に計算式を書く西畑大吾くんにレクチャーしてもらいました。

──あ、あの数式は正しいんですね。

清水:そうです。「ここはイコールで悩むのが普通です。ここで本当は何週間も悩むんだけど、これを数分で答えが書き出せるのは相当な天才です」って式を教えてもらい、西畑くんが覚えて、書いていた。

生駒:すごぉい!

映画『忌怪島』

2023年6月16日(金)公開
監督:清水崇
出演:西畑大吾(なにわ男子)、生駒里奈、山本美月 ほか
配給:東映
(c)2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

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