おっとり亀姫の好アシスト、長篠城と家康を救った彼女の機転【どうする家康】

2023.6.10 13:45

『どうする家康』第21回より、亀姫(當真あみ) (C)NHK

(写真5枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。6月4日の第21回『長篠を救え!』では、家康との関係が様変わりした信長の姿に震えると同時に、徳川家滅亡を救った亀姫にSNSが湧いた(以下、ネタバレあり)。

■ どうする家康、信長から「どうする?家康」

長篠城を守る奥平信昌(白洲迅)は、足軽の鳥居強右衛門(岡崎体育)を通じて、武田勝頼(眞栄田郷敦)の軍に囲まれた長篠城の惨状を知らせるとともに、火急の援軍を要請。兵力に乏しい家康は、織田信長(岡田准一)に「今すぐ助けに来なければ、織田と手を切る。武田勝頼と組んで信長を攻める!」と伝えると、信長は大軍勢を率いて岡崎までやってきた。

写真左から、家康の話を聞く瀬名(有村架純)、亀(當真あみ)、信康(細田佳央太)(C)NHK
写真左から、家康の話を聞く瀬名(有村架純)、亀(當真あみ)、信康(細田佳央太)(C)NHK

しかし信昌と、家康の長女・亀姫(當真あみ)との政略結婚の話が、影で進んでいることを知った家康の長男・信康(細田佳央太)は、信長に婚儀の話はなかったことにするよう直訴。それをきっかけに、信長に帯同していた羽柴秀吉(ムロツヨシ)は、家康と信長が対等な関係で結んでいた盟約を破棄して、以後は信長の臣下となるよう宣告する。

家康はそれを拒否し、信長は兵を引き上げようとするが、強右衛門が現れて長篠への援軍を必死に懇願。それを見た亀姫は、奥平家に嫁ぐので父と仲直りしてほしいと、信長に訴える。さらに家康の正室・瀬名(有村架純)が、家臣たちと話し合う猶予を乞うとともに、長篠を救うことを優先してはどうかと助け舟を出し、信長は長篠を助けると約束するのだった・・・。

織田信長(左、岡田准一)と話す徳川家康(右、松本潤)(C)NHK
織田信長(左、岡田准一)と話す徳川家康(右、松本潤)(C)NHK

■ 2人の間に大きな格差が生まれた瞬間

突然のBL展開で視聴者を翻弄するかと思えば、一向に信長に心を開かないくせに、言うことには逆らえない白兎・家康の態度にヤキモキしたりと、毎回「なにを見せられているのか」という気持ちでいっぱいになる『どう家』の家康と信長の関係。しかしこの第21回では、ついにこの2人の間に「主君と臣下」という、大きな格差の生まれる瞬間が描かれた。

一旦は信長を脅かして何万もの軍勢を引っ張り出したかに見えた家康だが、逆に脅しに来た信長。徳川だけでは武田をどうにもできないという弱みを自覚させられたうえで、主従関係となるようパワハラまがいの脅迫を受ける羽目に。第11回での武田信玄との交渉に続いて、現段階での格の違いを大いに見せつけられる結果となった。

SNSでも「援軍かと思いきや脅迫軍」「決定は委ねられてるけど実質選択の余地もない」「長篠・設楽原の戦いくらいから家康の信長に対する従属関係が強まった(家臣大名化した)といわれているけど、それをこんな形で描くとは」「飛んでもにゃあパワハラだったわ」などの声が並んだ。

また、史実を知らなくても「こんなのNOと言えるわけないやろ」な状況で信長から「さあ、さあ、さあ。どうする? 家康」と、まさかのタイトル回収が! これにはSNSも「信長公による華麗なるタイトルコール!」「全然笑えないタイトル回収きたーー!!」「こんなパワハラなタイトル回収ってあるんだ」と、緊迫したなかで一時の盛り上がりを見せた。

■ 徳川家滅亡を救った亀姫、敢闘賞ものの称賛

そしてこの、一歩間違ったら徳川家滅亡なシチュエーションを救ったのが、ちょっと天然な言動でたびたびほっこりさせた亀姫、という意外な伏兵にもビックリ。亀姫は、第21回のMVP・鳥居強右衛門をヒーローにするキーパーソンにもなったので、敢闘賞ものだと言えるだろう。

『どうする家康』第21回より、信長と挨拶を交わす亀姫(當真あみ) (C)NHK
『どうする家康』第21回より、信長と挨拶を交わす亀姫(當真あみ) (C)NHK

SNSでも「今まであんなに癒やしの存在だった亀姫が、こんなに恐い信長に意見できるなんてすごいよ」「亀ちゃん偉いなぁ。ここまでされたら、さすがの信長も無下には出来なかったか」「亀姫がみんなの幸せを願って、自ら大人になって納めるとは。絶対に幸せになって」という称賛が相次いだ。

ちなみに亀姫は、このあと本当に奥平信昌のもとに嫁ぎ、信昌は側室を置くことなく(置けなかった疑惑も)、子宝にも恵まれ、家康よりも長生きをしている。おそらくは多くの視聴者の願い通り、幸せな人生であったのではないだろうか。さらに信昌は、このあと家康の配下としてあちこちの戦で活躍するので、嫁いだあとも亀姫再登場の機会は結構ありそうだ。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート(BS4Kは昼0時15分から先行放送あり)。6月11日の第22回『設楽原の戦い』では、徳川・織田連合軍と武田軍が正面衝突し、日本の戦のスタイルを大きく変えた運命の大戦「設楽原の戦い」が描かれる。

文/吉永美和子

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