藤間爽子、日本舞踊家から女優になったワケ「自信がなかった」

2023.6.8 09:00

日本舞踊家、女優として活躍する藤間爽子

(写真7枚)

■ 「日本舞踊の世界にずっといたので」(藤間)

──どうやって落ち着くようになっていったのでしょうか。

やっぱり経験ですね。ちょっとずつ映像の現場が増えてきて、先輩たちのやり方を真似たり、気づくことがあったり。そういうことが解決につながりました。日本舞踊は逐一教えてもらうことはなく、芸は盗めという世界なんです。映像のお仕事でも、先輩や共演者の姿を見て、盗めるものは盗むというか、いいなと思うものを取り入れていくようにしています。

──今日は大阪での取材ですが、大阪と言えば、藤間さんは次期の朝ドラ『ブギウギ』(NHK大阪局制作)でヒロインの親友役を演じられます。もう撮影の準備などには入ってらっしゃるのでしょうか。もちろん関西弁ですよね?

先月入りました。関西弁が大変です(苦笑)。大阪の方はホントに関西弁に厳しい・・・。

次期朝ドラ『ブギウギ』にも出演が決まっている女優・藤間爽子

──やはり難しいのはイントネーションでしょうか?

主演の趣里さんも私も東京出身なんですが、そのほかのキャストは関西の方が多くて。方言指導の方がいてくださってますが、なにが難しいって、アドリブですね。誰かのアドリブに対して、咄嗟に関西弁で出てこないんです。それがすごくもどかしくて。

──確かに、それは難しいですね。

方言指導の方に聞いてもらって構わないと言ってくださるんですが、アドリブをあらかじめ聞くのってちょっと野暮じゃないですか。そこが難しいところだなと感じます。

──セリフだけじゃなく、関西弁のイントネーションも覚えないといけないんですよね。

方言で演技をすること自体が初めてなので、びくびくしながら方言で録音してもらった音声を聞いています。でも、相手の話し方によってこっちの受け応えも変わってくるのに、耳に入っているからと音声デモの通りに言うのもおかしいですし。方言って難しいんだなって・・・。

──三代目家元・藤間紫として活動しながら、舞台や映像作品でも活躍されていますが、そもそも女優にチャレンジしてみようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

日本舞踊の世界にずっといたので、別の世界を見たいという好奇心ですね。日本舞踊の家に生まれてその道に入るのと、自発的にその世界を選ぶのでは違うじゃないですか。ずっと自信がなかったので、周りが就職活動を始めたとき、違う場所で頑張ってみたい、認められたいと思ったのがきっかけでした。

認められたいという想いが女優へのきっかけとなった藤間爽子

──日本舞踊で早くから認められていた藤間さんが、自信がなかったというのは意外でした。

今でも自信があるかと聞かれると、すごく自信があるわけではないですが、当時はどこかに息詰まりを感じている自分がいました。そんなときに、女優のオーディションに挑戦したんです。

──女優を経験した後、日本舞踊の舞台に立ったときはどんな感覚でしたか?

舞台に上がって初めてセリフを言ったことで、すごく自分を解放できたというか。お客さんが自分自身を見てくれているように感じました。今はそんなことはありませんが、当時は日本舞踊の世界だとどうしても縮こまってしまっている自分がいて。

そこから、いろんなところで活動させていただいたことが自信に繋がって、相乗効果で日本舞踊でも自然と自信が出てくるようになりました。そんな風にいろいろチャレンジさせてもらえている環境にも、もちろん家族にも感謝しています。

連続ドラマW−30『ドラフトキング』(WOWOW)・・・プロ野球の剛腕スカウトを主人公とした漫画を原作に映像化。剛腕スカウトマン・郷原眼力(ムロツヨシ)は、元プロ選手で新米スカウトの神木良輔(宮沢氷魚)、部長の下辺陸夫(でんでん)らと激論を交わしながら、チーム強化に向け奮闘する。オーディションで選ばれた元高校球児たちのプレーにも注目。現在放送、配信中。

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