らんまん第10週振りかえり・ノアザミ

2023.6.9 08:15

石版印刷の技術の習得を目指す万太郎(神木隆之介)(C)NHK

(写真5枚)

裕福な造り酒屋の跡取り息子として生まれた主人公が草花に魅了され、植物学の道をひたすらに突き進む姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。6月10日は、「ノアザミ」と題する第10週(6月5日〜6月9日放送)を振りかえる。

植物学雑誌の創刊に向け、主人公・万太郎(神木隆之介)は「石版印刷」という技術を用いる「大畑印刷所」を訪れる。「石版印刷」は書いた絵の筆使いをそのまま印刷でき、図版描写に優れた画期的な印刷方法として大きな話題となっていた。

「本物の植物を伝えたい」という熱意を持つ万太郎は、自ら石版印刷の技術を習得するため、工場主の大畑義平(奥田瑛二)に「働きながら学ばせてほしい」と頼み込む。

見習いとして印刷所で働き、その授業料も支払うという万太郎に、大畑とその妻・イチ(鶴田真由)は戸惑いながらも承諾する。そうして見習いとして働くことになった万太郎は、昼間は大学で標本の分類作業、夜は印刷所で修業という生活を始める。

仕事を終えて砂まみれで長屋に帰宅した万太郎だが、万太郎を傍で支える竹雄(志尊淳)は事情を知って怒り出してしまう。竹雄は、由緒ある「峰屋」の当主が見習いとしてこき使われること、そして、自分がついていながら万太郎を守りきれないことが情けなく、悔しいと感じていた。

万太郎の現状に憤る竹雄(左、志尊淳)と万太郎(右、神木隆之介)(C)NHK

翌朝、竹雄は一晩出して考えた答えとして、健康に日々を過ごし笑顔でいることを条件に、万太郎の夢を応援することを伝える。そして「わしはもう、若を当主とは思いませんきね。ただの槙野万太郎と思いますき」と告げ、これからは「若」ではなく「万太郎」と呼ぶことを宣言する。相棒である竹雄との絆が深まったことに、万太郎はうれしく思うのだった。

一方、万太郎の想い人で、和菓子屋「白梅堂」の娘・寿恵子(浜辺美波)は、母・まつ(牧瀬里穂)から万太郎がしばらく店に来ないと話していたことを聞き、落ち込んでいた。そこで寿恵子は、「もしも万太郎が来たら渡してほしい、自分の一番好きなものを知ってもらいたい」と、まつに『里見八犬伝』の本を預ける。

そして「本当はなんで来られないのか聞きたい。何しているか教えてほしい。けど、足を引っ張るのも嫌なの」と本心を打ち明け、まつは寿恵子が万太郎に対して抱く思いの深さに驚くのだった。

母・まつに『里見八犬伝』の本を預ける寿恵子(右、浜辺美波)(C)NHK

その頃、寿恵子は実業家・高藤(伊礼彼方)の屋敷で、舞踏練習会の発足式に向けてダンスを特訓する日々を送っていた。そんななかで、寿恵子は高藤から「人生のパートナーとして迎えたい」と伝えられる。妻の弥江(梅舟惟永)がいる身でありながら、「もとより、恋心を抱いたことはなか」と寿恵子を妾として迎え入れようとする高藤の言葉に、寿恵子は深く思い悩む。

そうして万太郎が大畑の印刷所に通い始めて3週間が過ぎ、季節はノアザミが咲く夏となっていた。万太郎に会えず悶々としていた寿恵子だが、会いたい気持ちを抑えられずに意を決して「東京大学」へと向かう。

案内された寿恵子が植物学教室をのぞくと、そこには学生の波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)らと楽しそうにはしゃぐ万太郎の姿があった。その姿を目の当たりにした寿恵子は、万太郎は自分と会わなくても平気なのだと誤解してしまい・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、激動の時代で草花と情熱的に向き合い続ける植物学者の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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