【どうする家康】広瀬アリスが演じるにはうってつけ、陽キャ於愛が愛される点

2023.6.21 17:00

瀬名の元を訪れた於愛(左/広瀬アリス)とお葉(北香那) (C)NHK

(写真4枚)

松本潤が演じる徳川家康の選択だらけな人生を描く大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。6月18日の第23回『瀬名、覚醒』では、家康の新しい側室・於愛の方が初お目見えし、全体的に暗いトーンだったこの回に、太陽のような明るさを与えて、家康も視聴者もなごませた(以下、ネタバレあり)。

■ どうする疲れ気味の家康、新たな側室

武田勝頼(眞栄田郷敦)との戦が終わらないうえに、岡崎を治める息子・信康(細田佳央太)と対立することが多くなった家康。疲れ気味の様子を心配した側室・お葉(北香那)から、新たな側女を持つよう勧められる。そこで彼女が白羽の矢を立てたのが、夫を戦で亡くしたあと、浜松城で侍女として働いている於愛(広瀬アリス)だった。

於愛はひどい近眼で、子どもの頃に習ったきりの笛を「得意です」と言ってしまうなど、ちょっと抜けているところがあるものの、非常に陽気でおおらかな女性で、家康は気に入る。築山で面会した正室・瀬名(有村架純)も、『源氏物語』のことを夢中で語る姿に感じ入り、「殿のことをよろしく頼みます」と告げ、於愛は新たな側室となる・・・。

■ 広瀬アリスが演じるにはうってつけ

江戸幕府二代目将軍・徳川秀忠の生母で、気立ての良さから家臣や侍女たちにも慕われたと伝わる、「西郷局」こと於愛の方。朝ドラ『わろてんか』(2017年)の辺りからコメディの才能が本格的に開花し、明るいオーラで主役・脇役問わず存在感を発揮する役者となった広瀬アリスが演じるには、まさにうってつけのキャラクターだろう。

侍女・於愛(広瀬アリス)の奏でる音色に耳を傾ける徳川家康(松本潤)(C)NHK
侍女・於愛(広瀬アリス)の奏でる音色に耳を傾ける徳川家康(松本潤)(C)NHK

初登場となった23回では、その期待に違わず、突然後ろから尻を叩くという家康とのファーストコンタクトにはじまり、へぼい音が逆にクセになりそうな笛の演奏、自分ヨイショの紹介をことごとく訂正するバカ正直さ、夢中になれる話題が出るとついグイグイいってしまう無邪気さ・・・と、家康や瀬名だけでなく、視聴者の心も一気につかんでしまった。

SNSでも、「これは『おもしれー女』枠、滑り込み高等テクニック!(恐らく天然)」「しんどいこと続きなので、於愛が癒やし」「なんとなくいると救われる明るさと大らかさが、やっぱり広瀬アリスのうまさ」「この母の子だから、そりゃ秀忠もうっかり関ヶ原に遅れたりもするかもな、と思わせる於愛の方のキャラw」など、賞賛の言葉が相次いだ。

■ 有能なお葉が再登場、歓迎の声

そして家康に於愛を紹介するのが、家康の側室第1号となりながらも、同性愛者のため(!)お役御免となったお葉。第10回で鮮烈に登場し、この回のゲストキャラ的扱いになるのかな・・・と思いきや、家康の世話係として再登場し、お万(松井玲奈)の二の舞いにならないよう、瀬名と於愛の面談も抜かりなくオーガナイズするという相変わらずの有能さに、両手を上げた人は多かっただろう。

於愛(右/広瀬アリス)に注意するお葉(北香那) (C)NHK
於愛(右/広瀬アリス)に注意するお葉(北香那) (C)NHK

SNSでも、「また出てきてくれると思ってなかったからうれしい!」「1話ぶん出るだけ出てあとは空気とかじゃなくて良かった」「この機械的な動き、お葉さんだ!」「相変わらず側室というよりも有能な側近ぶり」「お葉が殿のこと、まだ側室としてお世話焼いてて安心した。殿嫌われてない、よかった」などの、歓迎の声があふれた。

■ 次回大河への伏線、サブリミナル効果

また、於愛と瀬名が距離を縮めるのに『源氏物語』が登場したが、次回の大河『光る君へ』の主人公が作者・紫式部なので、目ざとい視聴者からは、「源氏で盛り上がる2人。来年への伏線?」「来年の番宣すなw」などの言葉が。また先週の朝ドラ『らんまん』でも『源氏物語』の話題が出たことから、「源氏オタクだ! 徳永助教授聞いてる?」「サブリミナル的にどうにか源氏物語を先に読ませようとするNHKの戦略がありそう」という声もあった。

どうやら側室同士の争いとは無縁そうな於愛&お葉コンビの出現で、ここからしばらくハードモードな家康の私生活も、なんとか息抜きの機会はありそうで、視聴者もホッとしたことだろう。とはいえ家康の側室の登場は、これでもまだ序の口に過ぎない。今後どんな女性たちが家康の私生活を彩ってくれるのか、まだまだ期待しよう。

『どうする家康』はNHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムは夕方6時から、BS4Kは昼12時15分から放送。6月25日の第24回『築山へ集え!』では、妻と息子が不穏な動きをしていることを知った家康や、今川氏真(溝端淳平)などの人々が、さまざまな理由で瀬名の待つ築山に集まる様が描かれる。

文/吉永美和子

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